【難読漢字よもやま話】「蝸牛」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


正解は「かたつむり」

【漢字の由来と語源】
「蝸牛(かたつむり)」の語源は、主に以下の二つの説が有力とされています。

●「堅(かた)し」+「つむり」説
「かた」は「堅い(かたし)」に由来すると考えられます。かたつむりが堅い殻を持っていることに着目したものです。
「つむり」は「包む(つむる)」が転じたものとされており、堅い殻に包まれた虫という意味合いになります。

●「片(かた)」+「つむり」説
「かた」は「片方」の「片」、つまり「片貝(かたがい)」を表し、一方にだけ殻を背負っている様子から来ているというものです。「つむり」は上記と同様の意味で、 片側に殻を持つ巻貝、という意味合いになります。

漢字に関しては「蝸」に使われる「咼」の字は「口がゆがむ」「傾く」「渦巻く」「くぼむ」といった意味があり、かたつむりの渦巻き状の殻を表しているとされます。

また、「牛」の字が当てられたのはカタツムリの頭部から伸びる2対の触角が、まるで牛の角のように見えたためとする説が有力です。

堅い殻を持つから「“かた”つむり」?

【かたつむりに関するトリビア】
●驚異的な再生能力
かたつむりは、触角や目を失っても再生することができます。種類によっては、頭部全体を失っても再生できるものもいるそうです!

●世界最大のカタツムリ
アフリカマイマイは、世界最大の陸生かたつむりとして知られています。殻長は最大20センチにもなり、その大きさに驚かされます。

●睡眠時間
かたつむりは、なんと最大で3年間も眠ることができるそうです! これは、乾燥や寒さなどの厳しい環境から身を守るための戦略です。

●歯の数
かたつむりは、歯舌と呼ばれるやすりのような器官を使って食べ物を削り取ります。その歯の数は種類によって異なりますが、なんと数千から数万本にも及ぶそうです。

●殻の向き
かたつむりの殻の巻き方向は、ほとんどが右巻きですが、まれに左巻きの個体も存在します。左巻きは珍しいため、「幸運を呼ぶかたつむり」と呼ばれることもあるそうです。

●雌雄同体
かたつむりはほとんどの種類が雌雄同体です。つまり、オスとメスの両方の生殖器官を持っているため、状況に応じてどちらの役割も果たすことができます。