【難読漢字よもやま話】「予め」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


正解は「あらかじめ」

【漢字の由来と語源】
「あらかじめ」の語源は、古い日本語にさかのぼります。古語の「あらかじめ」(または「あらかじめく」)から来ており、これはさらに分解すると、「あら」+「かじめ」という構造です。

この「あら」は、「現れる」、「明らかになる」や、「粗い」「新たに」に関連。語源的に「現(あらわ)す」から転じて「事前に明らかになる」というニュアンスが生まれました。

「かじめ」は「かじむ」(鍛える、固める、準備する)から派生した言葉で、金属を叩いて固める意味から転じて、「事前に固めておく」「準備する」という意味になったと伝えられています。

一方、漢字の由来に関しては、もともと中国で「予」は「ゆったりとした余裕」や「予備」を意味する文字として使われ、それが日本に伝わり「あらかじめ」の当て字とされた説が有力です。

【予めに関するトリビア】
●読み方の歴史的変遷
現代では「あらかじめ」と読みますが、古くは「予て(かねて)」と読むことも一般的でした。そのため、現在でもこの言葉が「以前からずっと」という意味で使われています。

●「予め」はリスク管理の基本
事故やトラブルを未然に防ぐためには、「予め」リスクを予測し、対策を講じることが重要です。
そのため、ビジネスシーンでは、「予めご了承ください」という表現が頻繁に使われます。これは相手に事前に事情を説明し、理解を求めるための丁寧な言い回しなのです。

●「前もって」との微妙なニュアンスの違い
「予め」と「前もって」は似ていますが、「予め」の方が「計画に基づいて」「既に決まっていることとして」という、より計画性や既定の事実を強調する傾向があります。「前もって」は単に時間的に先行する意味合いが強いです。

●「予め」を意識することで時間に余裕が生まれる
何かを始める前に「予め」準備をしておくことで、時間に余裕が生まれ、より質の高い成果を出すことができます。常に「予め」を意識しておくことと、日常生活でも違った景色がみえてくるかもしれません。
旅行はあらかじめ用意が必須