阪神“藤川イズム”は短期決戦で通用するのか? 戦力外よりも怖いCS、日シリ飼い殺し

阪神タイガーズ公式HPより
この違いは、衝撃的だった。リーグ優勝チームと、クライマックスシリーズで下克上を狙うチームの差と言ってしまえばそれまでだが、阪神・藤川球児監督(45)の勝負に徹する厳しさが秘められていた。

「阪神の今季最終戦ですが、“普通すぎて”びっくりしました」(在京球団スタッフ)

10月2日の阪神最終戦では、今季限りでの現役引退を表明している原口文仁が途中出場し、入団時と同じ捕手のポジションにも就いた。

その藤川監督の粋な計らいに甲子園球場は盛り上がったが、CSや日本シリーズ対策で視察に来た他球団のスコアラーたちの目には「普通すぎて逆に怖い」と映ったようだ。

「CS、日本シリーズに向け、『戦力』をテストしていないんです。DeNAは最終戦で不振のトレバー・バウアーを先発させ、巨人も中継ぎ左腕のバルドナードを登板させました」(同)

シーズン中の通常オーダーに近いスタメンで臨んだのは、佐藤輝明や村上頌樹など個人タイトルの懸かっていた選手がいたこともあるだろう。

しかし、偵察部隊が驚いたのは、二軍での調整が長引いている西勇輝を使わなかったことだ。

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17年目ベテランが二軍で“飼い殺し”

「西の今季一軍登板は4月の1試合だけと寂しいものでした。最終戦は9回だけ捕手の梅野隆太郎(34)を守備に就かせましたが、今季はほとんど出番がありません。
坂本誠志郎に正捕手の座を譲りましたが、CS中に坂本に何かあったら、どうなるのか。
他の監督であれば、梅野が試合勘を取り戻せるような段取りもします。藤川監督はシーズンを戦ったメンバーのみでCS、日本シリーズに臨むつもりのようです」(同)

優勝決定後も一軍登板のチャンスをもらえなかった西は、CSメンバーにも登録される可能性は低い。

プロ17年目のベテランとしては、この“二軍飼い殺し”は屈辱以外の何物でもない。もっとも、優勝に貢献できなかったベテランがCSで先発してきたら、他投手は「やってらんねーよ!」と怒り出すだろう。

厳しいようで、当たり前。その徹底ぶりが藤川イズムとも言えそうだ。

「ペナントレースに貢献できなかった選手をテストしないということは、対戦する側からすればシーズン中の対策データをそのまま活用できます」(同)

藤川イズムが吉と出るか、凶と出るのか。お手並み拝見といったところだ。

「週刊実話」10月23・30日号より