【難読漢字よもやま話】「迸る」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


正解は「ほとばしる」

【漢字の由来と語源】
「迸る(ほとばしる)」は古くから日本語に存在する和語で、「ほとばす」という擬態語から派生した言葉とみられており、「ほと」(勢いよく出る音や様子)と「走る」が合わさり、水や火花が「飛び散る」「噴き出る」様子を表すようになったようです。

また、漢字の由来は「辶(しんにょう)」が道や動きを、「并(へい)」は二つのものが並ぶ様子を表し、勢いが重なって増すイメージを示唆しています。

この二つが組み合わさることによって、液体や感情などが勢いよく飛び出す様子を表す言葉になったと考えられています。

【ほとばしるに関する豆知識】
●意味の多様性
「ほとばしる」は液体や感情、エネルギーなどが勢いよく飛び出す様子を表す言葉ですが、文脈によって微妙なニュアンスが変わります。例えば、汗が迸る、感情が迸る、火花が迸るなど、対象によって異なる情景が浮かび上がります。

●音の響きが持つ威力
「ほとばしる」という響きは、力強く、瞬間的な勢いを表現します。特に「ばしる」の部分の破裂音と摩擦音が、エネルギーの解放や飛散する動きを耳で感じさせます。

そのため、文学においては登場人物の激しい感情の爆発や、生命の躍動、あるいは自然の壮大な力を表現する際に、多くの作家や詩人が好んで用いてきました。

●スポーツ実況との相性も◎
音の響きが力強く、情景を想像させることに優れているため、スポーツの実況中継との相性も抜群。野球、プロレス、陸上競技をはじめ、あらゆるスポーツで「汗が迸る」「闘志が迸る」といった表現が使われることがあります。選手の熱気や緊迫感を伝える言葉の代名詞ともなっています。
滝の水がほとばしる