国産マツタケ猛暑&残暑で不作予想 中国産よりも質が良いブータン産に注目集まる

マツタケ
秋の味覚の王様といえば、マツタケが代表格だ。今年は不作が予想されており、国内産に代わってブータン産のマツタケに人気が集中するとみられている。

「2023年は残暑が厳しく雨が少なかったことから、国産のマツタケ生産量は約18.5トンと大不作となった。
この年のマツタケの国内消費量は約500トン。約96%を輸入に頼り、その内の66.7%が中国産です。ブータン産は’23年が6.5トンで、’24年は9.7トンと急成長しています」(全国紙記者)

昨年の国産マツタケは豊作でも高値は変わらなかった。今年は記録的な猛暑と残暑続き。しかも、クマ出没被害の影響も重なり、不作が予想されている。

「全国有数のマツタケ生産量を誇る岩手県岩泉町で収穫最盛期前の8月31日に豊作祈願祭が行われたんです。
例年は採れたばかりのマツタケが神社に奉納されるんですが、今年は去年の冷凍マツタケ。9月下旬になってようやく採れるようになったんですが、生育不足で小ぶりなマツタケばかり。
今後、雨が降れば豊作は見込めるものの、現段階で先行きは不透明です」(同)

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クマ出没でマツタケ採りが激減

岩手県とマツタケ生産量日本一を競う長野県の生産者向け研修会では、サルがマツタケをちぎって食べている映像が発表された。

また、キノコ採りに行った生産者がクマに襲われる被害も相次いでいる。

「親子連れのクマが出没するため、マツタケ採りを躊躇する生産者も増えています」(フリーライター)

ブータンは“世界一幸せな国”として知られる君主国で、人口は約79万人。

「ヒマラヤ山脈の麓にあるブータンではマツタケを含め多くのキノコが採れます。しかし、マツタケは独特の香りがすることから好まれなかった。
そのマツタケが日本では超高級食材だと知られるようになり、貴重な外貨獲得の手段として本格的に輸出するようになった。
ブータン産は国産と比べ、香りも味も変わりがなく、中国産よりも質が良い。それでいて価格も国産の半分以下ですから人気なんです」(青果輸入業者)

世界一幸せな国のマツタケを食べてみたい。

「週刊実話」10月16日号より