西城秀樹『ラストシーン』はいけ好かないガキだった私に「大人の階段」を見せつけた神曲
2025.10.06
エンタメ
許されない年上女性との愛の詞が秀逸
ちなみに『時の過ぎゆくままに』も作詞が阿久悠で、そして歌詞のテーマは2曲とも、年上女性との許されない愛(おそらく女性は既婚者)なのです。
でも先にサウンド面の話をすると、三木たかしの才能が横溢。その後、彼が世に問う岩崎宏美『思秋期』(’77年)、テレサ・テン『時の流れに身をまかせ』(’86年)同様、まさに時代を超えて古びない「美メロ」。
また、前年のヒットである10㏄『アイム・ノット・イン・ラブ』みを感じさせるイントロのシンセサイザーが実にいい。
ですが、ここはやはり阿久悠の歌詞でしょう。許されない愛の相手である年上女性から年下男性(つまりは西城秀樹)にかける言葉として―「ありがとう しあわせだったわ 一緒に歩けなくてごめんなさい」。この「歩けなくて」の切なさたるや!
対して年下男性は「あたたかい春の陽ざしの中で 熱があるように ぼくはふるえてた」。
当時21歳の西城秀樹が大人との別れにふるえる歌を聴きながら、当時10歳のいけ好かないガキだった私も、大人への階段を見上げてふるえたものでした。
そして。この曲から42年経った2018年、西城秀樹逝去。享年63。今度はその早過ぎた「ラストシーン」を知って、私はふるえることになるのです。
「週刊実話」10月16日号より
スージー鈴木
音楽評論家。1966年(昭和41年)、大阪府東大阪市出身。『9の音粋』(BAYFM)月曜パーソナリティーを務めるほか、『桑田佳祐論』(新潮新書)、『大人のブルーハーツ』(廣済堂出版)、『沢田研二の音楽を聴く1980―1985』(講談社)など著書多数。
- 1
- 2
合わせて読みたい
-

水卜麻美アナが日テレ退社へ 夫・中村倫也の説得で『24時間テレビ』が花道に?
2025.05.11 芸能 -

大ブームの最中、メルカリが「スキマバイト」からスピード撤退する“背に腹は代えられない理由”
2025.11.04 -

巨人の外野補強に急展開!? 本命が松本剛から桑原将志へ“方針転換”した理由は…
2025.11.17 スポーツ -

高市自民党に飲み込まれた維新「12月崩壊危機」
2025.11.20 -

ソフトバンクが佐々木麟太郎獲得へ 孫正義オーナーが30億円投資を決断か
2025.11.15 スポーツ -

藤川阪神のマイナス材料が浮き彫りに...和田ヘッドコーチ配置は正解か?
2025.11.20 スポーツ -
戦隊シリーズ降板で今森茉耶に忍び寄る「セクシーアイドル業界」の“魔の手”
2025.11.16 芸能 -

天海祐希vs沢口靖子 緊急取り調べ&捜査「アラ還独身」女優
2025.11.19 芸能 -
「歴史に残る激闘だった」蝶野正洋が絶賛するメジャーリーグWS最終戦
2025.11.20 スポーツ -
木村拓哉“家族の話”全面解禁で急浮上した「父娘共演」の電撃プラン
2025.11.20 芸能
合わせて読みたい
-

水卜麻美アナが日テレ退社へ 夫・中村倫也の説得で『24時間テレビ』が花道に?
2025.05.11 芸能 -

大ブームの最中、メルカリが「スキマバイト」からスピード撤退する“背に腹は代えられない理由”
2025.11.04 -

巨人の外野補強に急展開!? 本命が松本剛から桑原将志へ“方針転換”した理由は…
2025.11.17 スポーツ -

高市自民党に飲み込まれた維新「12月崩壊危機」
2025.11.20 -

ソフトバンクが佐々木麟太郎獲得へ 孫正義オーナーが30億円投資を決断か
2025.11.15 スポーツ -

藤川阪神のマイナス材料が浮き彫りに...和田ヘッドコーチ配置は正解か?
2025.11.20 スポーツ -
戦隊シリーズ降板で今森茉耶に忍び寄る「セクシーアイドル業界」の“魔の手”
2025.11.16 芸能 -

天海祐希vs沢口靖子 緊急取り調べ&捜査「アラ還独身」女優
2025.11.19 芸能 -
「歴史に残る激闘だった」蝶野正洋が絶賛するメジャーリーグWS最終戦
2025.11.20 スポーツ -
木村拓哉“家族の話”全面解禁で急浮上した「父娘共演」の電撃プラン
2025.11.20 芸能