【難読漢字よもやま話】「嘲る」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


正解は「あざける」

【漢字の由来と語源】
「嘲る」は、平安時代にすでに使われていた言葉で、語源には以下のような説があります。

一つは人を欺く、馬鹿にするという意味の「欺る(あざる)」が変化したという説。もう一つは戯れる、からかうという意味の「戯る(あざる)」が変化したという説ですが、いずれにしても相手を軽く見て、からかったり、馬鹿にしたりする行為が語源にあると考えられます。

一方、漢字の由来については「嘲」の字の部首である「口」は口で言うことを表します。また、「朝」は日の出の光が草木を照らす様子を表し、明るく照らし出すという意味があります。

これらを組み合わせることで「明るみに出して、口で言う」という意味になり、人の欠点や弱点を口にして馬鹿にする、からかうという意味を表すようになりました。

【嘲るに関する豆知識】
●嘲るは人類の進化に貢献?
嘲ることは人類の進化において、社会的な階層や集団の結束を維持するために使われてきたと考えられています。強い者が弱い者を嘲ることで、優位性を示し、集団内の秩序を保つ役割があったという説があります。

●心理的なダメージ
嘲りを受けた時、脳は身体的な痛みを感じた時と似た領域が活性化することが研究で示されています。これは、嘲りが社会的なつながりを脅かすものとして、脳が危険信号を発していることを示唆しています。

そのため、自尊心を低下させ、不安やうつ病のリスクを高める可能性があります。特に、幼少期に継続的に嘲りを受けて育った場合、人格形成に深刻な影響を及ぼすことがあります。

●使い方次第では潤滑油に
嘲ることとユーモアは表裏一体の関係にあります。相手を傷つける意図がない共感的なユーモアは、人間関係を円滑にする効果がありますが、本来の嘲りは相手を傷つけ関係を悪化させる可能性があります。