【難読漢字よもやま話】「努努」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


正解は「ゆめゆめ」

【漢字の由来と語源】
現代とは異なり、古語の「ゆめ」は「まさか」「少しでも」などといった意味合いで使われ、打ち消しの言葉(~ない、~べからず、~なかれ)を伴う場合は強い禁止や否定を表していました。

「ゆめゆめ」と重ねるのはあらゆる可能性を打ち消し、「決して~ない」「断じて~ない」と強調するためです。

また「努努」は当て字ですが、この漢字が使われるようになった背景には諸説あります。有力なのはこの字が「努力する」「励む」「尽力する」といった意味を持つため、「決してそうしないように尽力する」という、強い禁止の気持ちを表すために当てられたと考えられています。

【ゆめゆめに関する豆知識】
●代表的な難読漢字
「努々」と書いて「ゆめゆめ」と読むこの言葉は代表的な難読漢字として知られています。「努」の音読みが「ド」であるため、初めて見る人は「ドド」と読んでしまいがちですが、実際は「ゆめゆめ」と読む。こうしたイレギュラーさが興味を惹き、難読漢字好きの間では意外に知られた漢字となっているようです。

●現代語の「決して」よりも強いニュアンスを持つ
現代語の「決して」という言葉と似ていますが、「努々」の方がより古風で、改まった場面や、特に強い禁止・警告の意を込める際に用いられます。

●古典や歴史的文書によく登場
現代の日常会話ではほとんど使われませんが、古典文学、歴史的な訓令、格言、武士道における戒めなど、古くから伝わる強いメッセージや教訓の中で多く登場します。また、時代劇のセリフなどにもよくよく登場します。

●現代での使用頻度
現代でもビジネスシーンや改まった手紙などで、相手への注意喚起や強いお願いをする際に使われることがあります。ただ、前記した通り意味合いが警告めいて強すぎるため、使用するときには注意が必要です。
“ゆめゆめ”忘れないように…