【難読漢字よもやま話】「蜈蚣」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


正解は「むかで」

【漢字の由来と語源】
むかでの語源には、たくさんの足を表した「百足(ももあし)」という漢字が元になっているという説があります。この「百足」が、時間の経過とともに音韻変化を起こし、「ももあし」→「むかあし」→「むかで」となったと考えられています。

また、「百足」とは別に「蜈蚣」という字が当てられた理由には「蜈」は足の多い虫を表し、「蚣」は凶暴な様子を表すという説が最も有力です。古くからむかでは恐れられており、この二つの漢字を組み合わせることで、その特徴を表現したと考えられます。

【おぞましきむかでの豆知識】
●驚異的な脚の数
ムカデは「百足」とも書きますが、実際に100本ちょうどの脚を持つムカデは存在しません。種類によって脚の数は異なり、少ないものでは15対(30本)、多いものでは177対(354本)もの脚を持つものがいます。

●毒を持つハンター
ほとんどのムカデは肉食性で、昆虫やクモ、ミミズなどを捕食します。獲物を捕らえるために、毒を持つ顎肢(顎のような形をした脚)を使います。また、通常は夜行性です。昼間は湿った暗い場所に隠れており、夜になると獲物を求めて活動します。

●日本最大のムカデ
日本に生息する最大のムカデはトビズムカデで、体長は20センチを超えることもあります。また、ムカデの寿命は種類によって大きく異なりますが、数年から10年程度生きるものもいます。

●世界中に生息
ムカデは南極大陸を除く世界中のあらゆる場所に生息しています。熱帯地域に生息する種類は大型になる傾向があります。

●薬としての利用
漢方薬として、ムカデを乾燥させたものが鎮痛剤や解毒剤として用いられることがあります。
脚が354本もあるものも