【難読漢字よもやま話】「菠薐草」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


正解は「ほうれんそう」

【漢字の由来と語源】
中国語で「波斯(ポー スゥ)」はペルシャ(現在のイラン)を指し、「草(ツァオ)」は草を意味します。つまり、原産地である「ペルシャの草」という意味になります。

「菠薐」という字は、音を表すために当てられたと考えられますが、これが江戸時代初期に日本に伝来し、「ほうれんそう」と呼び名が変化し、広まったのです。

【栄養満点ほうれんそうのトリビア】
●ほうれんそうの底力
ほうれんそうは、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンK、葉酸、鉄分、食物繊維など、さまざまな栄養素をバランス良く含んでいます。また、根元の赤い部分は、マンガンというミネラルが豊富で、甘みと旨みが凝縮されています。

●鉄分神話の真相
ただ、ほうれんそうが「鉄分の王様」というのは間違いです。一時期、ほうれんそうの缶詰を食べると超人的な力を発揮するアニメ『ポパイ』が人気を呼びましたが、これは研究者が鉄分の含有量を1桁間違えて発表したことが原因と言われています。実際は、他の野菜と比べて特別鉄分が多いわけではありません。

●冬のほうれんそうが甘い理由
寒さにさらされることで、ほうれん草は体内のデンプンを糖に変えて凍結を防ごうとします。そのため、冬に収穫される「ちぢみほうれん草」などは特に甘みが強く、栄養価も高いと言われています。
寒くなると甘みが増す!