イヤホンの長時間使用で「耳カビ」患者急増中

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年齢、性別問わず、イヤホンやヘッドホンを使用する人を街中で目にするが、イヤホン使用と蒸し暑さが原因で「耳が痒い」「耳垂れが出る」「聞こえにくい」などの症状を訴える“耳カビ”患者が急増しているという。

「イヤホンやヘッドホンを長時間使用する人が増えています。密閉型イヤホンを長く装着すると、汗や皮脂がこもり、通気が遮断されて、カビが繁殖しやすい。
イヤホン蒸れによる外耳道真菌症、通称『耳カビ』患者が都心を中心に増えているようなので要注意です」(千葉県市川市の『藤巻耳鼻咽喉科医院』藤巻豊院長)

イヤホン、ヘッドホンでいえば、大きな音量で音楽などを聴き続けることによって起こる難聴が取り沙汰されたことがある。

「難聴は有毛細胞が壊れる前であれば、耳の安静を図ることで回復します。そのため初期には耳栓を使い、定期的に耳を休ませるといった指導が行われます。
大音響を聴いた後、急に聞こえなくなる突発性難聴の場合、内服薬やビタミンB12製剤、代謝促進剤などを使うこともある」(医療ジャーナリスト)

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耳カビが原因で鼓膜に穴が開く恐れも

イヤホンやヘッドホンの1日の平均使用時間は「3時間以上」が約10%、睡眠時間を除くとほぼ1日中つけている「12時間以上」は1.1%というデータも。特に、20代から40代は長時間使用する傾向がある。

耳カビが問題視されるようになったのはコロナ禍以降で、比較的最近だ。テレワークや会議、授業のオンライン化など社会生活の変化との関連性も指摘されている。

「耳カビの症状は、相当な痒みがある。自分で耳を掻いてしまい炎症がひどくなっています。生えた耳カビを取ってもまた出てくる。
外耳炎の治療は1週間から2週間ほどかかりますが、当院では自宅でカビを掃除するように勧めて治療薬を出しています。
ただ、耳垂れが鼓膜に接近すると穴が開く。穴は治療できますが、難聴になる恐れもあり、気を付けることです」(前出・藤巻氏)

耳カビは“イヤヨン”。

「週刊実話」10月2・9日号より