南海トラフ地震の発生時期に“5年前倒し論”求められる防災対策意識

AIで生成したイメージ
『防災の日』の9月1日、政府の総合防災訓練が和歌山県沖でマグニチュード9.1の南海トラフ巨大地震発生という想定で行われた。

1月、国の地震調査委員会は南海トラフの30年以内の発生確率を「80%程度」に引き上げたが、一部専門家の間では5年以内に起きる可能性がある“前倒し論”も出始めている。

「退陣を渋ったとされる石破首相は、その理由の一つに『大地震』を挙げました。SNSなどでは『いつ起きるか分からない大地震を理由にするな』の批判が殺到した」(全国紙記者)

もっとも、前倒し論には根拠もある。

「南海トラフは駿河湾から日向灘にかけてのプレート境界を震源域として、過去に100~150年のスパンで発生してきたことから、次の推測は可能です。
また、ある専門官に言わせると、高知県室戸市の室津港の地震前後の地盤隆起の高さを調査することで、次にいつ起きるかほぼ想定できる説もあるほどです」(地震研究者)

【関連】トカラ列島群発地震で桜島大噴火、南海トラフ巨大地震が起こる可能性を専門家が指摘 ほか

地震調査委は「いつ起きてもおかしくない」

直近に起きた3回の南海トラフでいえば、1707年の宝永地震は地盤が約2メートル隆起。その次は約150年後の1854年の安政地震で、地盤の隆起は約1.2メートルだった。

そして、最後の昭和南海地震(1946年)は、約90年後だった。

「昭和南海の隆起は1.15メートル。これでいくと次の南海トラフは『2030年前後』という数字が弾き出されます。最近は“2025年から2030年の間が有力”と唱える人が増えつつあるのです」(同)

専門家の間でも、さまざまな論がある南海トラフ地震。ただ、地震調査委の平田直委員長は1月に「30年以内の発生確率80%程度」を公表した際、「80%とは、いつ起きてもおかしくない数字」と強調している。

我々は「防災対策」を急ぐしかない。

「週刊実話」10月2・9日号より