阪神・近本光司、移籍確実か 優勝インタビューの匂わせ発言と年俸釣り上げの思惑

阪神タイガース公式サイトより
阪神タイガースの優勝で一段落したセ・リーグのペナントだが、コトはにわかに慌ただしさを増している。

FA権取得で去就が注目される近本光司が、今オフでの移籍をほぼ確実のものにしているからだ。

近本は8月に国内FA権を取得し、複数球団の争奪戦が取り沙汰されている。まだシーズン中で本人も行使を宣言したわけではないが、先日には意味深な発言があった。それは、優勝を決めた9月7日の試合後のこと。近本は今シーズンについて「野球人生の中ですごく意味のある1年になるのかな。これが野球人生の分岐点になるかもな」と述べた。

分岐点というと、そのまま受け取れば、来シーズンからは環境が変わるようなニュアンスを持つ。時期が時期だけに、これはかなり含意に富んだ発言だ。

近本は8月、自己ワーストの38打席ノーヒットというスランプがあったため、かつてない不調を乗り越えたことは、今後の野球人生で良い経験になるという発言かもしれない。

しかし、阪神ファンは「コメント全体的に不穏で怖かった」「ほんま意味深」などと神経を尖らせている。

ファンの不安には、昨オフの契約更改も影響している。球団側は当初、FA権の行使を阻止すべく複数年契約を提示した。

しかし、近本本人の「1年で勝負したいと思った」との意向で単年契約。これは、冷静に考えれば、FAでの移籍を念頭に置いた選択と見ることができる。

加えて「分岐点」発言と来れば、もはや本人の中で結論は出ていると言ってもいい。

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日本一達成でやり残しナシ 年俸釣り上げへ?

「近本は一昨年に初の優勝・日本一を経験。今年も独走で優勝、日本シリーズ制覇の可能性も高い。
逆に言えば、もう野球選手としてできることは経験し、今後のモチベーションはカネになる。FAでより良い条件の球団に移るでしょう」(某球団OB)

タイミングもまた味方している。

近本の今シーズン主要成績は、8日終了時点で打率.278、3本塁打、33打点、OPS.701。盗塁こそ25個を決めているが、 記録的打低というトレンドを踏まえても、打力に関してはやや頼りなさがある。

しかし、4年20億や5年25億と争奪戦が報じられるなど、不釣り合いなほど景気がいい。カネのためにプレーする選手であれば、自身を高く売り込める今は絶好のチャンスだ。

ところで、移籍する場合、具体的にどこの球団になるのか。

「報道でも名前が挙がっていますが、やはり巨人でしょうね。獲得すればライバル球団の戦力低下になりますし、再来年からはDH制も始まる。
近本の打力はそこそこですが、キャベッジなどの助っ人外国人をDHに置き、近本は持ち前の守備で外野を固めるという起用なら勝手が良い。
今の巨人は球団史でも指折りの貧打なので、理に適っています。丸佳浩もだんだんと引退が見えてきますしね」(スポーツ紙記者)

阪神は昨年にも、打力不相応な破格条件でのFA移籍が、大山悠輔に取り沙汰された。

大山は結局残留を選んだが、近本は違った結果になりそうだ。