【難読漢字よもやま話】「吝か」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


正解は「やぶさか」
【語源と漢字の由来】
「やぶさか」とは「けちであること」、「物を出し惜しむこと」、「ためらうこと」などの意味で、通常は「喜んで~する」「進んで行う」などの意味である「〜にやぶかでない」と否定形で使われることが多い言葉です。

語源は平安時代にさかのぼり、当時使われていた「やふさがる(物惜しみする)」「やふさし(けちである)」に由来しており、源氏物語にも登場します。

また、漢字については「吝(リン)」という文字自体が「物を出し惜しむこと」「けちであること」「物惜しみする」という意味を持っており、これが使われました。

【「やぶさかではない】は、誤用の多い表現】
前記した通り、物を出し惜しむ「やぶさか」という言葉は現代ではほとんど使いませんが、唯一使われている「やぶさかでない」は、誤用率の高い言葉としても知られています。

「~でない」と打消し表現が使われているだけに、「仕方なく受け入れる」「渋々受け入れる」との意味合いだと誤解している人が多いからです。間違えないように気を付けましょう。
やぶさか…なの?