冷やし中華の適正価格が1500円に 具材&人件費高騰のダブルパンチで調理場は火の車

冷やし中華
夏の定番麺料理「冷やし中華」。食欲が減退するこの時期は、つるつる、さっぱり食べられ、まさに夏バテ防止にもってこいだ。

残暑が厳しい数年前からは秋口まで提供されているが、今年は使用される豚肉、卵、野菜などの具材や人件費の高騰で、冷やし中華をメニューから外す町の中華料理店が増えているという。

冷やし中華は昭和初期から食されており、ルーツは中国の冷やし麺説もあるが、味も作り方も大きく異なることから、一般的には日本発祥の料理とされている。

「冷やし中華にはトマト、キュウリ、モヤシ、チャーシューに金華ハム、錦糸卵などの具材を乗せ、薬味には紅ショウガ、からし、マヨネーズを使用するのがオーソドックス。
町中華やラーメン店などでは『冷やし中華始めました』の貼り紙も恒例ですが、今年は6月の段階で冷やし中華を断念する店が続出したんです。
東京都目黒区の人気ラーメン店『千里眼』がこの春に公式Xで『全ての食材、水熱費、人件費など予想を超えた値上がりにより、販売を断念致します』と投稿して話題を呼びました」(グルメライター)

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仕込みと調理に手間がかかる

今年は記録的な猛暑が続き、東京都中央卸売市場で7月18日に取引された豚肉は1キロ当たり948円と、統計が残る2000年以降で最高値を記録した。

錦糸卵に使用する卵の卸売価格も、7月に1キロ当たり328円(東京地区・Mサイズ)となり、9カ月連続で前年より値上がりしている。

また、野菜は猛暑と大雨のダブルパンチで不作と、まさに“調理場”は火の車なのだ。

「冷やし中華は、仕込みと調理に手間が掛かります。一般的なラーメンの具材は4種類くらいですが、冷やし中華は倍以上です。
従業員が手作業でキュウリやチャーシュー、錦糸卵を均等に切りそろえたり、1日70~80キロ使用する大量の氷で麺をしめたりする。
そうは言っても適正価格で冷やし中華1杯1500円なんて値上げは、とてもできませんよ」(東京都江戸川区内のラーメン店店主)

今夏は、「冷やし中華始められませんでした」か。

「週刊実話」9月18日号より