フグが大衆魚に? 規制緩和や免許制度変更で外食チェーン導入拡大

AIで生成したイメージ
9月ごろから漁が始まり、秋から冬にかけて旬を迎えるフグ。庶民には手の届かない高級魚のイメージが強いが、最近では目玉商品として売り出す外食チェーンが増えてきた。

近年、回転寿司や居酒屋での鮮魚事情が変化している。例えば人気のサーモンは、世界的な需要増加と円安でコロナ前よりも価格が3倍近く高騰。カツオやホタテなども高止まりが続いており、飲食店は仕入れに苦慮する状況だ。

そんな中で注目を集めているのがフグだ。

回転寿司や居酒屋、ファミリーレストランでもフグの刺身や唐揚げといったメニューを見かけるようになり、値段も500円前後で味わえるようになったが、高級魚の代表格に一体、何が起きているのか。

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マフグや無毒で美味しいシロサバフグも提供

近年はフグの漁獲量が増えているが、フグ料理が外食チェーンに広がったのは販売規制の緩和による影響が大きい。

フグは毒があるため専門知識があるフグ調理師免許取得者を店に配置する必要があったが、昨年から大都市圏で有毒部位が除去されたフグ加工製品を取り扱う場合は届け出が不要になり、外食チェーンでの導入が拡大している。

フグ専門店では冬のトラフグが名物だが、夏は天然のマフグが旬で身も柔らかく甘みがある。鮮度が落ちやすいので安価ではあるが、白子も多く人気がある。

「居酒屋などでは、筋肉や皮が無毒で美味しいシロサバフグが使われています。養殖技術の進歩もあって、通年でフグを楽しめます」(食品商社担当者)

フグ調理師免許も都道府県によって難易度が異なっていたが、全国的に資格試験の基準を統一する動きもあり、今後は取得する人も増える可能性もある。

今後はスーパーでも需要増加が見込まれ、“高級魚”のフグが一般家庭の食卓に上る機会が増えそうだ。

「週刊実話」9月18日号より