福島県勢144年ぶり大関誕生なるか“30歳金の卵”若隆景にかかる大きな期待

両国国技館 (C)週刊実話Web
およそ1カ月に及んだ長丁場の大相撲夏巡業もようやく終了。残暑が厳しい中、力士たちは9月14日から東京・両国国技館で始まる秋場所に向け、本格的な稽古を開始している。

先の夏巡業で注目を集めたのが大の里、豊昇龍の両横綱と関脇若隆景の3人だった。

両横綱にファンの関心が集中したのは分かる。どちらも先場所不振に終わった雪辱を秋場所で晴らそうとしているからだ。

この両横綱とは別の意味で観衆の熱視線を浴びていたのが若隆景。先々場所12勝、先場所10勝で大関取りがかかっているのだ。

現在、大関は琴桜ただ1人。この琴桜が目下、3場所連続して8勝7敗と絶不調。いつ大関から陥落してもおかしくない大窮地に陥っており、大相撲界はのどから手が出るほど新しい大関が欲しいのだ。

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もはや“期待の星”というより“願い星”

「大関が欲しいのは相撲協会だけではありません。福島県もです。
もう144年間、福島県勢の大関が出ていない状態で、夏巡業が行われた福島市では、あいさつに立った木幡浩市長が『若隆景関(福島市出身)の大関昇進をみんなで応援しましょう』と呼びかけると、会場内から大きな歓声が上がっていた。
いまや若隆景は期待の星、というより願い星。強烈な追い風を受けています」(大相撲担当記者)

そんな若隆景に突然、赤ランプが点滅したのは8月23日の新潟市巡業のこと。

この日の朝、稽古場以外のところで足首を痛め、取組を外れたのだ。本人は責任を感じ、出場に意欲を見せたが、大事な“金の卵”のトラブル発生だけに周囲は放っていなかった。

「無理するな。大事を取れ」とみんなで寄ってたかって出場を引き留め、それから5日間、治療に専念。

おかげで回復は思ったよりも早く、28日の立川市巡業では新鋭の草野や王鵬らと元気に稽古を再開し、関係者をほっとさせた。

「2年前には右膝を痛め、幕下まで転落していますからね。力士は常にケガと背中合わせ。若隆景はいかにケガをしないかの闘いにもなります」(協会関係者)

30歳新大関誕生となるか。

「週刊実話」9月18日号より