「このトシになっても自慰がやめられません」シニアカウンセラーに舞い込んだ“高齢世代の性の悩み”

自慰が暇つぶしになった80代男性

その2「自慰がやめられない」(Bさん・80代)
「お恥ずかしい話ですが、このトシになっても自慰がやめられません。
性行為自体は20年近くご無沙汰ですが、50歳を過ぎたあたりから面倒臭くなったので、それはまったく問題ありません。もともと女性を相手にするよりは自分でいたした方が好きだったんです。

子どもたちも独立し、10年前に妻が身体を悪くして施設に入ってからは気ままな独り暮らしということもあって、日がな自慰をしていたと言っても過言ではないくらいでした。

ただ、ある時、興奮し過ぎたのか胸が苦しくなり、激しい頭痛と眩暈に襲われて救急車を呼んだことがあります。その時は血圧が210まで上がっていましたし、心拍数もかなり上昇していました。
『何か興奮するようなことがあったんですか?』と医者に聞かれたので、自慰のことを打ち明けたら『身体に悪いのでほどほどにしてください』と叱られたんですが、それでも止められません。ちなみにもう射精はしません」

アドバイス
そこまでいくと、性的快感を求めているより、単なる暇つぶしというか、習慣になっている気がします。
手持無沙汰なのが原因だと思われるので、何か興味をひかれるものを探したり、趣味を持つなどして性的関心から気を紛らわすと良いと思います。

それでもどうしても止められないというのであれば、自慰の最中に健康被害が及んだ時のことを想像してみてください。
最悪の場合、局部を丸出しにしたまま亡くなることになり、状況から察すれば死の間際に何をしていたかは一目瞭然です。

そんな姿を見られたいですか? 高齢者の場合は特に何事も程々が肝心です。分別を持ってください。

木村さんのアドバイスが正しかったかどうかは不明だが、相談者は前向きに考えるようになったそうだ。

取材・文/清水芽々