日ハム好調の影に“ノムさんの教え”アリ! 新庄監督4年目で悲願の優勝へ

新庄剛志 (C)週刊実話Web
北海道日本ハムは、8月22日からの福岡ソフトバンクホークス首位攻防戦で3連勝した。

「日本ハムは両リーグで唯一、チーム本塁打が3桁に到達しました」(スポーツ紙記者)

負けた時点でソフトバンクに優勝マジックナンバーが点灯する首位攻防3連戦。初戦のゲームを決めたのは日本ハム・万波中正のホームランではあったが、今年の新庄劇場はひと味違う。

かつての恩師、故・野村克也氏のエッセンスも見られた。

勝ち越しに成功した直後の8回表の守備だった。スコアは4対3、新庄監督は守備固めで五十幡亮汰をレフトに、矢澤宏太をセンターに送った。

クリーンアップから始まるソフトバンクの攻撃に備えるためだが、ここで終わらないのが新庄劇場だ。

近藤健介、山川穂高、中村晃の打者1人ごとに、五十幡と矢澤の守備位置を入れ替えた。

「新庄剛志監督でなければ、あの采配は思いつきません」(同)

実際、五十幡と矢澤のところには打球は飛ばなかったが、「(味方投手の)ボールの強さ、打者の打球の方向を考えて」と、新庄監督は試合後に語っていた。

「野村氏の阪神監督時代、対戦打者に応じて葛西(稔)と遠山(奬志)を1人ずつ投げさせる用兵を思い出しました」(関係者)

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今シーズン日ハムの合言葉は「諦めない」

チーム100号が出た同20日のオリックス戦でもそうだった。

日本ハムベンチはド派手な空中戦でお祭りムードとなったが、新庄監督はその後の攻撃で出たバント失敗を指して、「こういう試合だからこそ、しっかりバントを決めたいよね」と、顔をしかめた。さらに、ひと言。

「勝ちに不思議の勝ちあり」

野村氏が著書でも記した格言だ。監督として覚醒したのか?

「優勝を意識しているのは間違いない。優勝する決意を秘めて今シーズンのペナントレースに臨みました」(前出・スポーツ紙記者)

新庄監督が引き継いだときのチームはリーグ5位に低迷していた。世代交代の加速が最優先事項とされたが、新任指揮官は結果を急ぐ傾向にある。

しかし、新庄監督は本当に我慢した。

清宮幸太郎を筆頭に伸び悩んでいた若手を根気強く使い、4年目の今季ようやく優勝を狙えるまでになった。

ド派手な一発攻勢も面白いが、今年の新庄劇場の合言葉は「諦めない」だ。

パ・リーグの優勝争いは、終盤戦までもつれそうだ。

「週刊実話」9月11日号より