“ドンと重鎮”2人の実力者が去った「昭和の芸能界」終焉へ

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7月30日、芸能界の重鎮の1人、ケイダッシュの川村龍夫会長が急死。享年84。昨年末には芸能界のドンの異名を取るバーニングプロダクションの周防郁雄氏が代表取締役を退任し、相談役会長に退いた。

2人の実力者が第一線から去ったことで、昭和の芸能界が終焉を迎えようとしている。

高度成長期1960年代の芸能界はハナ肇とクレージーキャッツ、ザ・ピーナッツ、中尾ミエ、伊東ゆかり、園まり、天地真理、小柳ルミ子、沢田研二らが所属する渡辺プロダクションが隆盛を極めた。

「当時のテレビは歌番組全盛期でした。『ナベプロ所属にあらずんば、歌手にあらず』という風潮で、歌番組はナベプロに牛耳られていた」(ベテラン芸能記者)

業界で権勢を誇ったナベプロ王国に風穴を開けたのは、’71年10月からスタートしたオーディション番組『スター誕生!』(日本テレビ系)だった。

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ジャニーズ性加害問題からの変化

ホリプロ、サンミュージック、田辺エージェンシー、バーニングなどの新興勢力が台頭した。

「中でもバーニングは、NHK紅白歌合戦や日本レコード大賞に影響力を持つようになった。その背景にはテレビ局幹部やスポーツ紙記者などへの接待攻勢、盆暮れの付け届けがありました」(音楽プロモーター)

芸能プロとメディアのいびつな関係が崩壊したのは、2023年3月。英公共放送BBCがジャニーズ事務所創業者のジャニー喜多川氏の所属タレントへの性加害を放送してからだ。

「大手メディアは、ジャニー氏の性加害を見て見ぬふりをしてきた。同時にジャニーズ事務所以外の大手プロとの癒着も問題視された」(前出・芸能記者)

芸能ライター・本多圭氏の話。

「田辺エージェンシーの田邊昭知会長を取材した際、事務所でばったり川村氏と出くわしました。
友人の周防氏の批判記事を書いていた私に対し、川村氏は『君の正義感は分かるけど、周防は良いヤツだからあまり書かないでよ』と言ったのを記憶しています」

昭和は遠くなりにけり。「週刊実話」9月4日号より