ジャーナリストと経済学者が自民党&財務相の危機を煽る国民コントロール術を徹底告発

『自民党財務省政権 崩壊への最終宣告 「増税脳」の呪縛を解く』徳間書店/1,600円(本体価格)髙橋洋一との共著
『自民党財務省政権 崩壊への最終宣告 「増税脳」の呪縛を解く』著者:須田慎一郎(すだ・しんいちろう)
ジャーナリスト。1961年、東京生まれ。日本大学経済学部卒。経済紙の記者を経て、フリー・ジャーナリストに。テレビ朝日系『ビートたけしのTVタックル』、読売テレビ『そこまで言って委員会NP』、ニッポン放送『飯田浩司のOK!Cozy up!』など多方面で活躍中。

税収は過去最高なのに減税には後ろ向き

――わずか1カ月ほどで緊急出版されたそうですね。
須田「今回の本は、石破政権が財務省の大きな影響力下にあることを明らかにした上で、どのようなやり口で財務省が政権をジャックしていくのかを明らかにしています。
なぜ自民党が消費税減税を打ち出すことができないのか、党内でも決して少なくない数の所属国会議員が要求していたにもかかわらず、自民党執行部はこれを歯牙にもかけずに、はねのけた。そのあたりの裏事情を解明しています」

――国の税収は5年連続で過去最高を更新しました。なぜ自民党は減税に後ろ向きなのですか?
須田「財源が無いまま減税してしまうと、赤字国債の発行に頼ることになるというのが財務省の主張です。
しかし、減税を推す側から見れば、一時的に国債発行が必要でも、減税で景気が上向き経済が拡大すれば、税収は必ず増えます。むしろ財政は改善するのです。
私と髙橋洋一氏は当然、後者の立場を取っています。なぜなら、それが確実に国民を幸せにするからです」

アメとムチが通じないSNSの登場で窮地に

――参院選後、消費税増税が目論まれているというのは本当ですか?
須田「間違いありません。先の通常国会でいわゆる『年金改革関連法案』が成立しました。
この法律で最も注目すべき点は、厚生年金の積立金の一部を基礎年金に充当し、将来的に不足することが予想される基礎年金の充実を図るというもの。
これをやると将来的にピーク時で年間2.5兆円から3兆円もの資金移動が起こることになる。基礎年金のルールでは、その負担は民間と国の折半となっているので、将来的にはそれと同額の国庫負担が生じることになります。
財政的にそれほどの余裕がないため、当然増税によって財源を確保することになる可能性が高くなるでしょう」

――SNSで財務省の本音が「可視化」されるようになりました。今後、何か変化が起こりますか?
須田「これまで財務省は、言うなれば『アメとムチ』によって、新聞やテレビといったオールドメディアを支配してきたと言っていい。
この場合の『アメ』とは、新聞社に対しては軽減税率を認めることや、さらには情報を提供すること。
『ムチ』とは、国税を使っての税務調査などです。
しかしこうしたやり方は、ネットには効果がありません。つまり財務省の影響力下にないニューメディアが大きな影響力を得たことで、状況は間違いなく大きく変わっていくことになるのです」

(聞き手/程原ケン)

「週刊実話」8月21・28日合併号より

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