花火大会にも値上げの波 有料一般席の平均5227円、プレミア席は平均3万6193円に

花火
夏と言えば花火大会。暑さを感じながらの花火鑑賞は、何ものにも代え難い夏の思い出の代名詞だ。その花火大会にも値上げの波が広がっている。

数年前からトレンドとなっている有料席は、すでに定着してきているが、年々値上がり傾向にあるという。

先日、帝国データバンクが発表した「2025年『主要花火大会』有料席導入・価格調査」によると、今年、有料席を導入した国内主要花火大会は83に上り、このうち半数超の42大会で有料席を値上げしたことが分かった。

また、一般席の平均価格は5227円で、前年から1.8%アップ。プレミアム席の平均価格は3万6193円で7.2%上昇し、特に高額な席種で値上げが目立ったという。

一般席とプレミアム席の平均価格差は6.92倍で過去最大。市場の二極化が進むが、一方で例年と比べ傾向にやや変化も見られるという。というのは、プレミアム席の最高額が値下がりしつつあるのだ。

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割高感がある席は売れ残り

調査対象の席種のうち、最も高額な有料席価格は’23年の30万円から、今年は12万円と3年間で半額以下に低下。ボリュームゾーンは1席・1区画当たり3~5万円台に集約されつつあるという。

高額な観覧席は、豪華なサービスやプレミアム感から話題性に富む半面、販売面で苦戦するケースが散見されるほか、廉価な一般席でも割高感がある席は売れ残った大会もあるなど、観覧客の高額席の受け入れ度合いにはばらつきも。

各主催者も実需に即した価格変更を実施したと見込まれる。

花火大会は観覧客の誘導をはじめ、大会の安全確保に不可欠な警備員の人件費や花火費用の上昇など、物価高騰による運営コスト増の傾向は歯止めがかからない。

夏の風物詩の維持のために有料席価格の手探り状態はまだまだ続きそうだ。

「週刊実話」8月21・28日合併号より