19歳で統一教会に入信 桜田淳子は傑出した“芸能IQ”を持つアイドルだった

爆笑を誘った志村けんとの夫婦コント

音楽以外でいえば、コントの上手さが印象的でした。沢田研二、キャンディーズや野口五郎らを筆頭に、当時の人気歌手はおしなべてコントが達者でしたが、コント師としての桜田淳子の才能は、頭一つ抜けていたように思います。

TBS系『8時だョ!全員集合』の志村けんとの夫婦コントで、桜田淳子が、ちょっと間の抜けた妻を演じたコントは、今思い出しても笑ってしまう。

あとドラマや映画での演技力も確かで、つまりは「芸能IQ」がとても高い人だったと言えましょう。

’92年、統一教会の合同結婚式に参加して、ほどなく芸能界から引退。入信したのは、なんと弱冠19歳のときだったとのこと。

’58年生まれの桜田淳子が19歳になったのは’77年。ということは『リップスティック』の頃には、すでに統一教会信者だった―。

傑出した「芸能IQ」を持ちながら、19歳にして、さらにもう一つの顔をも持ってしまった桜田淳子―。彼女は当時、どんな思いで歌い、踊り、そしてコントをしていたのでしょう。

「週刊実話」8月21・28日合併号より

スージー鈴木

音楽評論家。1966年(昭和41年)、大阪府東大阪市出身。『9の音粋』(BAYFM)月曜パーソナリティーを務めるほか、『桑田佳祐論』(新潮新書)、『大人のブルーハーツ』(廣済堂出版)、『沢田研二の音楽を聴く1980―1985』(講談社)など著書多数。