女子大“冬の時代”到来 武庫女の共学化に賛否

AIで生成したイメージ
「武庫女(むこじょ)」の愛称で知られる武庫川女子大(兵庫県西宮市)が、2027年度から男女共学にすることを決めた。

名称は「武庫川大学」に変更する。武庫女は全国最大規模を誇る女子大だけに波紋は広がるばかりだ。

「在学生から『決定が一方的すぎる』との声が漏れるなど、学内外で動揺が広がっています。反対や中止を求めるオンライン署名は5万人以上。
『生き残るには仕方ない』と理解を示す声がある一方で『女子の志願者は減るし、男子も入らないだろう。ブランドを捨てて何もかも失う』との意見もあります」(全国紙教育担当記者)

女子大は目下、冬の時代を迎え、サバイバル状態となっている。

名古屋葵大や神戸松陰大は今年度から共学化したほか、学習院女子大は’26年度に学習院大と統合する予定だ。

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共学化するくらいなら閉学という大学も

京都ノートルダム女子大は’26年度以降の募集を停止する。

ホームページには『大学存続のためあらゆる方策を進めてきましたが、2025年度の入学生を最後に募集停止せざるを得ないという苦渋の決断に至りました』と苦しい思いがつづられている。同大関係者によると、創立時の理念として、女子教育の重要性を説いてきたことから、あえて共学化という選択肢は取らなかった。共学化するくらいなら閉学するという判断のようで、何とも涙ぐましい。

関西女子大御三家の一つ、京都女子大は共学化の向こうを張って「女子大学宣言」を行った。

宣言では『女子大学という環境だからこそ、性差にとらわれることなく、一人ひとりが対等な関係の中で学び合い、自立した“人”として成長することを可能にします』とし、『女子大学として社会の変革に挑戦する“人”を育成し続けることをここに宣言します』と結んでいる。

「在学生や卒業生から不安の声が多く寄せられたこともあり、宣言を出したとのことです。女子大としての矜持を感じます」(全国紙社会部デスク)

かぐわしい女子大は岐路に立つ。

「週刊実話」8月21・28日合併号より