高野連の“改革”が止まらない! 女子高生が初の始球式に登場

阪神甲子園球場 (C)週刊実話Web
今年も夏の甲子園大会が始まった。8月5日の開幕試合で始球式を務めた野球女子に注目が集まっている。

「開会式後の第1試合の始球式といえば、かつては文科大臣などお堅いイメージの人ばかりでした。日本高野連もいい意味で変わりましたね」(スポーツライター・飯山満氏)

その始球式ガールは、愛知県・中京大中京高・女子軟式野球部の森本愛華さん(3年)だ。

7月上旬、高野連が学校側に森本さんの派遣を打診。全国の代表校が決まるまでトップシークレットとされていた。

「中京大中京高は甲子園大会の常連校です。硬式野球部とのダブル出場が、密かな目標だったのでは」(専門誌記者)

野球部は愛知県予選で涙をのんだが、その思いは森本さんに託されたようだ。

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女子高生初の始球式が大きな転機に?

森本さんは今年3月に行われた男女混合5人制の手打ち野球「ベースボール5」のユースアジア・カップに日本代表として出場。

優勝して女子選手部門のMVPを獲得。女子軟式野球部員としてのこれまでの活躍も加味されて、今回の決定に至ったという。「いくつかのNPB球団も女子チームを持つようになりました。大学、社会人のチームを含め、森本さんの獲得を目指しているところもあるそうです」(同)

軟式からプロの世界に進んだプロ野球投手も少なくない。

森本さん自身が卒業後の進路をどう考えているかは不明だが、女子高生として史上初の今回の始球式は大きな転機となりそうだ。

「左投手ですよ。それも、男子顔負けのキレのあるボールをしっかりと投げ込んでいました」(同)

近年の高野連の改革には目覚ましいものがある。タイブレーク制や猛暑対策の二部制などがそうだが、女子部員にも配慮している。

「女子マネージャーによる試合前のノッカーを認め、キャンペーンガールのポスターもスカートではなく、ズボン姿の女子が採用された年もありました」(同)

7月末、高野連は7回制とDH制導入についても議論を深めた。森本さんの始球式も高校野球の変化を象徴する出来事と言えそうだ。

「週刊実話」8月21・28日合併号より