【難読漢字よもやま話】「団扇」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


正解は「うちわ」
【漢字と読み方の由来】
この言葉も熟字訓(じゅくじくん)と呼ばれる特殊な読み方が使われていますが、「団(だん)」は、「丸」や「円」を意味し、「扇(せん)」は扇子の一種であることを表しています。

また、「うちわ」という読みの由来は、「虫を打ち払う羽(はね)」、つまり「打ち羽(うちは)」が転じて「うちわ」になったというものが有力です。また、顔や身を「打ち翳す(うちかざす)」から来ているという説もあります。

【うちわの歴史と現代での意外な用途】
うちわの起源は、古代中国にさかのぼります。日本では奈良時代から平安時代にかけて伝わったとされており、前述通りもともとは蚊やハエなどの虫を「打ち払う」ための道具として使われていました。

これが日本に伝わり、平安時代には貴族の間で用いられ、日差しや塵、または高貴な人が顔を隠すためにも使われました。さらに時を経て江戸時代になると庶民の間にも広がり、涼を取るための道具として広く使われるように。

今では夏祭りや盆踊り、花火大会、縁日など、夏のイベントに欠かせないアイテムとなっていますが、意外なのはアイドルのコンサート会場での利用法。応援メッセージや推しの名前を書き込んだ「手作りうちわ」を掲げて応援するファンが多く、定番の応援グッズとなっています。