百日咳、新規感染者5週連続で最多 大人にも感染力を持つアデノウイルス感染症も流行中

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子供を中心に感染する百日咳の新規感染者が5週連続(7月29日まで)で過去最多を記録。8月5日発表の全国の患者数は前週より500人余り減ったものの、引き続き高い水準となっている。

さらに並行して、大人にも強い感染力を持つアデノウイルス感染症の流行も拡大している。

百日咳は、百日咳菌を原因とし、けいれん性の咳発作などの症状を起こす呼吸器感染症。小児に多くみられる病気で、1歳未満の乳児は重症化し死亡することもある。

近年、小学校高学年以上を中心に増加傾向にあるとされ、今年は6月以降、感染が拡大。今年に入ってからの累計患者数は5万6千人を突破した。

「百日咳の感染拡大は、新型コロナウイルスのパンデミックと関連性があるとみられます。コロナ禍では、百日咳を含めた感染症が流行しなかったため、十分な免疫を持っている人が少なくなったと考えられる。また、病原体の変異も流行に影響しているとみられます」(医療ライター)

百日咳は、ワクチン接種により80~85%の予防効果がある。

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アデノウイルスは特効薬がない

「感染した場合の治療はマクロライド系と呼ばれる種類の抗菌薬の薬物治療が中心で、発症早期の『カタル期』に治療を始めると、より効果が期待できます。
当クリニックの近隣の保育園では百日咳のほか、アデノウイルスの感染者が出ている。アデノウイルスは大人にも感染します」(東京都江戸川区の内科クリニック院長)

アデノウイルスに感染すると、高熱、喉の痛みや腫れ(咽頭炎)、目の充血や目ヤニなどの結膜炎を起こす。これが3大症状だ。

「潜伏期間は5~7日ほど。大人が感染した場合、熱が下がるまで4~5日かかります。アデノウイルスは感染力が強いにもかかわらず、風邪と違って特効薬がないから厄介です」(同)

予防対策については、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が効果的だ。

「『ハイター』など市販の塩素系漂白剤を水で薄めるだけで簡単に作ることができます。あとは、こまめな手洗い、食器やタオルなどを家族間で共用しないよう心掛けましょう」(同)

“夏風邪”に要注意。

「週刊実話」8月14日号より