「取り込み詐欺」増加中 桃30箱、コメ100キロが持ち逃げ被害に

AIで生成したイメージ
物価高が止まらず、コメをはじめ野菜や果物などが軒並み値上がりする中、ニセの取引を持ち掛けてカネを払わず商品を持ち逃げする「取り込み詐欺」被害が増加傾向にある。

お盆休みなど長期の休みが特に狙われやすく要注意だ。

「最近では生成AIなどを悪用して、さも真っ当な企業のようなホームページを作成する業者もいる」(警察関係者)

もちろんホームページや企業情報はデタラメで、メールや電話で取引打診をする詐欺師が多いという。

ある桃農家では突然、ヤマト運輸の社員を名乗る男性から電話があり、「ヤマト運輸の法人向け部門で飲食店向けに食品を卸している。おたくの桃が美味しいと聞いたので50箱を販売してくれないか」と持ち掛けられたそうだ。

一緒に働いている高齢の親がそれを信じて高級桃を30箱出荷したものの、持ち逃げされたという。

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新米50キロ=2万円に前払い

また、別の新潟のコメ農家でも売掛取引を打診されて、コメ100キロ分の詐欺被害に。

「こうした詐欺業者は、インターネットで販売している農家をはじめ、農地の貸し借りをマッチングする農地中間管理機構などの借受希望者リストを悪用して、集中的に取り込み詐欺を働いている傾向がある」(弁護士)

取り込み詐欺は数十年前からある古典的手口だが、詐欺を立証する証拠集めが難しく、詐欺業者と警察のいたちごっこが続いている。

また消費者を狙った詐欺も頻発しており、ある70代の女性はインターネットサイトで、新潟コシヒカリの新米50キロが2万円で販売されているのを見つけて前払いで購入。

しかし、一向に商品が届かず、業者に電話するとまったく関係のない会社に繋がり、詐欺に遭ったことに気付いたという。

上手い話には裏がある。時代が変われど、こうした詐欺被害は後を絶たない。

「週刊実話」8月14日号より