崩壊寸前の日本維新の会 党存続を賭ける“大阪・副都市構想”

吉村洋文 (C)週刊実話Web
参院選で与党過半数割れの大敗を受け、自民党内外では「石破おろし」が活発化しているが、躍進できなかった立憲民主党や日本維新の会も危機感は相当なもの。事の成り行き次第では最悪、党分裂、崩壊してしまいかねない火種を抱えているのだ。

「とりわけ、維新は切迫している。参院選の獲得議席は7議席。前回参院選(2022年)の12議席から失速し、野党第3党に転落した。『大阪・関西万博』『大阪カジノ』に続く目玉政策を打ち出さなければ、政党として埋没しかねない状況」(政治担当記者)

そんな中、維新の前原誠司共同代表は表向き「石破政権は持たない。石破総理は辞任すべき」「自民党と連立はない」と言っているが、水面下では「石破政権と裏取引があるのでは」という情報が流れている。

「その背景には参院選で維新がブチ上げた『大阪・副首都構想』があるというのです」(同)

副首都構想とは首都・東京で災害やテロなど不測の事態が発生した場合、迅速に首都機能の一部を移転するというもの。維新は以前から副首都構想の協議を重ねてきたが、スピードは緩慢だった。

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自民に“協力を取り付けた”ともっぱら

ところが7月22日、維新代表の吉村洋文大阪府知事は会見で一転、「具体的に法案を1〜2カ月程度でまとめ、与党側に提案する」と早急に動く方針を示したのだ。

「維新は参院選で国民民主党や参政党が大躍進する中で、改選から1議席増やしたものの存在感を示せなかった。
地元大阪や兵庫でも苦戦し、このままでは次の衆院選は敗北必至です。維新の一大イベントの大阪・関西万博も10月中旬で閉幕する。関西圏の有権者を惹き付ける新政策が不可欠だった。
そんな折、副首都構想法案をブチ上げた。維新の次の大きな旗印になると踏んだのでしょう」(在阪フリー記者)

大阪・関西万博で“犬猿の仲”とみられていた石破首相と吉村代表の距離が縮まったのは確か。今後の政権運営でも野党とは政策ごとに是々非々で臨む見解を示している。

「その延長線上で“副首都構想の協力を取り付けた”ともっぱらです。万が一、石破政権が崩壊しても法案への“下地”があれば、無下にはできない。要は、副首都構想は維新生き残りの切り札なのです」(同)

2015年11月の結党から10年。まさに維新は党存続の正念場だ。

「週刊実話」8月14日号より