リチウムイオン電池の発火事故が過去最多に 猛暑対策のファン付き作業服、携帯型扇風機も要注意

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年々、利用者が増加しているリチウムイオン電池を使用した小型ファン付き作業服。工事現場などでよく見かけるが、発火事故も多発している。

製品評価技術基盤機構(NITE)の調査によると、2024年の1年間に報告されたリチウムイオン電池による事故は過去最多の492件で、前年より77件増加している。

月別では8月が228件と最も多く、次いで7月が212件、6月が201件と気温が高くなる夏場に事故が多発している。

「リチウムイオン電池は熱や衝撃に弱い性質があります。高温環境にさらされることで、電池内部の温度が上昇して発火するリスクが一気に高まる」(防災ジャーナリスト)

NITEは、リチウムイオン電池による過去5年間(’20年~’24年)の製品別事故発生件数も公表している。

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携帯型扇風機の火災も増加中

それによると、最も多かったのは、モバイルバッテリーの361件。次いで電動アシスト自転車202件、充電式電動工具171件、充電式掃除機157件、ノートパソコン134件、ポータブル電源110件、スマートフォン102件の順になっている。

「リチウムイオン電池はさまざまな製品に使われています。“その他”の623件のうち、40件は夏の定番アイテムになりつつある充電式携帯型扇風機。
小型ファン付き作業服も“その他”に含まれており、’18年以降、全国でファン付き作業服が原因の火災が起きています」(全国紙社会部記者)

昨年6月には愛知県で充電中のファン付き衣類のバッテリー付近から出火した火災で住宅が全焼。高齢の女性が死亡している。

熱中症対策として屋外で作業する人が利用している小型ファン付き作業服が発火するという事故は、シャレにもならない。

「ファン付き作業服に関する消費者窓口への相談件数も年々増加傾向にあります。リチウムイオン電池を使用している製品については、直射日光が当たる場所や車内などに放置してはいけません。製品の取り扱い方を今一度、見直してみてください」(消費生活ライター)

もう一つの“夏バッテ”対策にも注意が必要だ。

「週刊実話」8月7日号より