北朝鮮最大のビーチリゾート『元山葛麻海岸観光地区』オープンの狙い

AIで生成したイメージ
国連の制裁下で中国との貿易交流も停滞する中、どうやって観光施設に投じる資材や機器を調達したのか。

しかも、韓国の娯楽コンテンツを見たり、販売しただけで処刑されるような専制国家がリゾートとは、お笑いである。

北朝鮮は6月24日、同国最大のビーチリゾート観光施設『元山葛麻海岸観光地区』をグランドオープンした。

7月1日から国内観光向けに営業を開始している。

葛麻は同国東海岸の景勝地、元山湾に位置する風光明媚な約4キロのビーチで、完成式典の映像には、金正恩総書記の妻の李雪主氏と後継者と目される娘が満面の笑みを浮かべる姿が映し出された。

ロシア大使や職員も出席している。

「同リゾートには複数のホテル、レジャー、スポーツ、飲食施設、さらにウオータースライダー付きのプールが設置され、約2万人が収容可能。資材などの調達先は、恐らくロシアでしょう」(北朝鮮ウォッチャー)

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金正恩氏は“涙の演出”で世論を封殺

今のところ同リゾートを利用できる外国人客は、ロシアからの団体客に限られるようだ。ロシアの旅行会社は7月と8月のパッケージツアーを販売しており、料金は1840ドル(約26万円)前後。

完成式典の6日後の6月30日、北朝鮮の朝鮮中央テレビは、ロシアのウクライナ侵略戦に派兵されて戦死した北朝鮮兵士の櫃を正恩氏が撫でて涙を流しながら哀悼する様子を放映した。

「派兵で多数の戦死者が出たことによる世論悪化を抑え込み、早ければ7~8月にも2万5000~3万人の追加派兵の可能性があるとの分析も出ています。派兵の正当性を主張するための“涙の演出”でしょう。正恩氏は自在に涙を流せる役者ですから」(同)

北朝鮮派遣兵士の犠牲で成り立つビーチリゾートとは、おぞましい限りだ。

「週刊実話」8月7日号より