大相撲ブームの裏で「金星配給」増加に協会首脳陣が大慌て

日本相撲協会公式サイトより
新会場『IGアリーナ』での大相撲名古屋場所が7月27日千秋楽を迎え、平幕の琴勝峰が13勝2敗の成績で初優勝を果たした。

『IGアリーナ』は「広い。きれい。使いやすい」と力士たちばかりでなく、観客の評判も上々。この新会場効果もあって前売り券は即完売し、相撲協会首脳はニコニコ顔だったが、その表情が曇るのに時間はかからなかった。

場所前に「先輩横綱としてやるべきことをしっかりやる」とやたら先輩風を吹かしていた豊昇龍が2日目から3日連続して金星を配給し、5日目に休場した。これで豊昇龍の休場は横綱在位3場所で2回目となる。

「負けっぷりが悪い。2日目の若元春戦は後ろ向きに土俵下まで転げ落ち、3日目の安青錦戦は背中からひっくり返り、4日目の阿炎戦も、やはり土俵下まで転落していますから。
取組後、いずれもノーコメントで引き揚げていますが、言い訳のしようもない。
横綱に昇進する際、『甘すぎるんじゃないか』と横審や協会首脳に対する批判が持ち上がりましたが、またぞろ蒸し返されそうな雲行きです」(大相撲担当記者)

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大の里も初金星を配給

同時に協会首脳が“懐具合”を気にするのが、あまりにも豊昇龍の金星配給が多いこと。

これまで3場所で3個、2個、3個の計8個。協会は金星1個につき10円、実際の支給額は4000倍の4万円を場所ごとに勝った平幕力士に支払わなければならない。つまり、これから毎場所、32万円もの余計な出費がかさむのだ。

「問題は今後ですよ。過去には、北の湖のように53個の金星を献上した横綱もいますが、彼の場合、在位63場所ですからね。豊昇龍がこのペースで金星を配給し続けると、途方もないことになる。協会首脳が慌てるのも当然です」(同)

豊昇龍の休場理由は左足親指の負傷。

場所前に痛め、安青錦戦で悪化させたそうで、史上ワーストの4日連続の金星献上となりそうな気配に、師匠の立浪親方(元小結旭豊)が慌てて休場を勧めたのだ。

もう一人の横綱、大の里も4日目に王鵬に初金星を配給し、最終的な成績は11勝4敗だった。

大盛況の裏で協会首脳は、金勘定に青息吐息の毎日だ。

「週刊実話」8月7日号より一部内容を変更