「さらば、ボロ競輪場よ。あなたへの愛とささやかな憎しみは一生忘れない」1勝13敗の伊東温泉競輪ギャンブル記

ボロ競輪場に抱く愛と憎しみ

伊東温泉競輪(C)週刊実話Web
2日目の伊東温泉競輪は2Rからスタート。もう欲を出さず銀行車券でも取りに行こうと心に決め、1番人気北陸ラインをスジ通り購入したらまくった瀬戸内ラインの頭が2着に食い込んでハズレ。

3Rは2Rを見習って脚力で抜けてる関東、瀬戸内の先行選手をワンツーにしたら、今度は関東ラインがスジ通り決まってハズレ。3連単は2番人気でも1210円もついたのでチキショー!! だ。

4Rも関東勢のスジ。頭が逃げ切れず番手差しで3番人気820円。自分は別ラインを買ってハズレ。いよいよ腐ってきたかと涙目の5Rでは、1着で買った選手がジャンに合わせて踏んだと思ったら客に見せつけるようにゴール前でガッシャーンと落車。
伊東温泉競輪(C)週刊実話Web
なに? このイジメのようなツキのなさ。落ちた選手に罪はないが、残り1周で車券を握りつぶす客の気持ちはせつないものだ。

ゲン直しに場内の売店で名物焼きそば(といっても別に普通の露天風ヤキソバ)、400円は場内でいちばん安い食べ物。これに奮発してからあげ串150円。スタミナつけて気分転換と立ち向かって見たものの、6Rもダメ、7Rもダメ。
焼きそばとからあげ串
こりゃ全敗か…と諦めかけた8R、実力上位九州ラインに中部ラインの頭が食い込む3連単車券で勝負、最終4コーナーからゴール前、「キタ~!!」と思ったら、なんと2着同着で3連単車券が2種類発生、自分が持っていた車券は安目なので1500円はつくと思っていたのが860円に減額。トホホ、こんなのアリかよ…。どこまで伊東の競輪神の意地悪が続くのか。

それでも少しはツキが戻ってきたかと9、10Rと続けてみたが、見るも無惨なハズレ地獄。客にもバンクとの相性ってあるなぁと思うこともあるが、今回は傷に粗塩をなすりつけるようなツキのなさ。

14戦1勝13敗、勝率7分4厘、回収率3割7厘。まあ3割打者か、と自分を慰め勝負を終えた。

伊東温泉競輪は、6月の3開催(うち1開催は観客を入れないミッドナイト開催)ののち、長期休場に入る。

競輪界は今、ラインを組まない新ルール(ケイリン・アドバンス、五輪ケイリンに近い形式)へ移行中で、このスタンドの改修が終わって再開後はすべて新形式になる可能性も。

ならば筆者にとってこれが最後の「伊東競輪」だ。そう考えれば、惨敗でも記憶に残る競輪にはなった…と負け惜しみを吐き、夜の伊東をトボトボ歩いて市内へ。

さらば、意地悪なボロ競輪場よ。あなたへの愛とささやかな憎しみは一生忘れない。

「週刊実話 ザ・タブー」8月8日号より