社会

太陽光巨額詐欺「テクノシステム事件」で政治家とのパイプを作った“黒幕”の正体

小泉純一郎
小泉純一郎 (C)週刊実話Web

金融機関に嘘の書類を提出して融資金約11億円を騙し取ったとして、東京地検特捜部は5月27日、太陽光発電関連会社『テクノシステム』社長の生田尚之容疑者(47)ら3人を詐欺容疑で逮捕した。

特捜部の捜査の進展次第では、今後、政界にも波及する見通しが強まっている。

生田容疑者らの逮捕容疑は昨年3月~7月ごろ、太陽光発電やバイオマス発電事業への融資をめぐり、虚偽の名目で融資申込書などを提出、阿波銀行(徳島県)と富士宮信用金庫(静岡県)から計約11億6500万円を騙し取ったというもの。

「他にもテクノ社は同じ手口で、金融持ち株会社『SBIホールディングス』傘下の金融ネット仲介会社『SBIソーシャルレンディング』から約400億円の融資を受けていた。SBIグループや信用金庫がなぜ、こんなに簡単に騙されるのか? その理由の1つはテクノ社の広告塔として小泉純一郎元首相が協力していたからでしょう。また、テクノ社の影の実力者といわれているのが、世界最大級の洋上風力発電を計画する企業のH代表です。H氏は小泉元首相が常連の赤坂の小料理屋『津やま』の女将を生田社長に紹介したことから、小泉元首相とパイプができた。テクノ社に対しては、融資先の金融機関に〝小泉元首相の写真を見せて信用させろ〟と資金調達の指南役を務めていた」

と語るのは、テクノ社の詐欺事件を取材するフリーライター。

小泉元首相の“反原発潰し”が端緒

「生田社長は小泉元首相を広告塔として利用する傍ら、長男で俳優の小泉孝太郎は、テクノ社のホームページやパンフレット、CMに登場させていた」(同・ライター)

生田容疑者が近づいた政治家は、小泉元首相だけではない。小池百合子東京都知事や、今年1月の緊急事態宣言下、銀座高級クラブでの深夜豪遊が発覚して議員辞職に追い込まれた元公明党幹事長代理の遠山清彦氏らとも、親しさを吹聴していたという。

「生田社長らは小池都知事側に計200万円、遠山氏が務めていた公明党衆議院比例区九州第2総支部に100万円の政治献金をしています。特に〝小池都知事の金庫番〟と呼ばれているM氏と生田社長は昵懇の仲。テクノ社が買収した銀座の老舗フランス料理店『ドン・ピエール』(事件化した後に売却)で、小池都知事を接待していましたよ」(『ドン・ピエール』関係者)

その他にも、生田容疑者と親しい政治家の名前が数人挙がっている。

「永田町筋では、特捜部の捜査は『小泉元首相の反原発運動潰しから始まった』という見方もされている。それだけに政界ルートは徹底的に洗い出されるでしょう」(政界関係者)

頂上作戦が始まった。

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