ラサール石井、北村晴男、世良公則…タレントはなぜ参院選に出馬するのか?

資質を見抜くことが重要

参院選は選挙区ごとに勝敗を決める「選挙区出馬候補」への投票と、政党名でも候補者の個人名でも投票できる「比例代表」の2つがある。

比例の場合は知名度がそのまま票に直結しやすく、特に芸能人は認知度が高いため政党側に取っても集票しやすく、ありがたい存在なのだ。

「今回、知名度の高い石井を比例で擁立した社民党などは、タレント票に党の存続を懸けた例ともいえる。
タレント候補の歴史は古く、過去にさかのぼると作家の石原慎太郎(1968年当選)、漫才師の西川きよし(’86年当選)、プロレスラーのアントニオ猪木(’89年当選)らが抜群の知名度を武器に当選を勝ち取った。
だがその一方で、タレントの大橋巨泉(’01年当選)などは民主党(当時)の運営に対する不満から約半年で辞職。暴露系ユーチューバーの“ガーシー”こと東谷義和(’22年当選)も一度も国会に出ることなく、最終的には除名処分となっている。
これを考えると、当然のことながら有権者はその知名度に踊らされることなく、普通の候補者以上に慎重に彼らの議員としての資質を見抜かなければならないのです」(政治部記者)

また、別の政治部デスクが言う。

「もちろん、日本の現状を憂いてという候補も少なくないが、基本的に参院議員は衆院議員と同じく国会議員だが、参議院は衆議院で決められたことに対するチェック機関。衆院に比べれば気が楽で、こうした背景もタレント候補が出馬しやすい条件となっているようです」

ちなみに、昨年の都知事選でキャスター出身の小池百合子都知事に敗北し、今回の参院選の比例代表に出馬した蓮舫氏も政界に入るまではキャンペーンガールだったクチ。

都知事選では「国政選挙はもう考えていない」「渡り鳥みたいになる」と息巻いていたが、それを覆して「渡り鳥になってもいいからもう1回国会で蓮舫を使っていただきたい」などと出馬したことを考えれば、国会議員はよほど魅力的な職業なのだろう。

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