「斎藤知事騒動」で混迷の参院兵庫選挙区に13人出馬“台風の目”は参政党

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選挙戦の火ぶたが切って落とされた参院選の中でも、全国屈指の大激戦区が兵庫選挙区だ。

「斎藤元彦知事による『おねだり疑惑』『パワハラ疑惑』で出直し知事選が行われたうえ、告発文書を巡る『情報漏洩疑惑』など、県政が1年以上、現在もなお混迷を続けています。
混乱を鎮静化させるためには国政でしっかりした人物を、という県民の期待も今回の参院選には込められています。
それだけに著名人を含め、各政党の候補がほとんどそろい踏み。定数3議席を過去最多タイの13人が争うのですから、何が起きるか分かりません」(政治アナリスト)

過去3回の参院兵庫選挙区は関西で圧倒的な強みを発揮してきた日本維新の会、神戸市、尼崎市などで地盤の厚い公明党、そして自民党の3党が独占してきた。

「今回ばかりは極めて読みにくい選挙です。というのも、2019年、2022年の参院選でトップ当選してきた日本維新の会の勢いに陰りがある。
大阪・関西万博開催にこぎつけた維新だが、予算問題などトラブルが多発した。また、地方議員などの不祥事も重なり党存続の危機すら出始めた。
加えて、兵庫では斎藤知事絡みの疑惑を調査していた百条委員会の情報を外部に提供した問題で維新県議らの除名、離党騒動に発展した。
維新は、その後遺症が参院選にどれほど影響を及ぼすかがカギを握るでしょう」(県政担当記者)

注目は“台風の目”参政党か!?

自民党はいまだに「政治資金の裏金問題」が足を引っ張り、おぼつかない。選挙戦初日の3日、石破首相が応援で兵庫県入りする力の入れようだ。

「他の各党候補は維新、自公の牙城潰しに躍起だ。例えば、知名度の高い元衆院議員で前明石市長の泉房穂氏は立憲民主党の推薦を受け無所属で出馬。若者層や不動票の取り込みに成功しつつある。
昨年の衆院選で大躍進を遂げた国民民主党は元経産省職員で公認会計士の多田ひとみ氏を擁立し、『手取りを増やす夏にする。』のスローガンで勢いを増しています」(同)

国民民主党は過去に不倫騒動を起こした山尾志桜里氏擁立か否かでドタバタ劇を演じ、党支持率は一時急落した。

しかし、兵庫選挙区に限っては、斎藤知事問題があるからか影響は最小限に抑えられた感がある。

“台風の目”は参政党だ。

「参政党は東京都議選で3議席獲得したことでも分かるように、全国的に支持率を伸ばしています。6月に行われた大票田の尼崎市の市議選で参政党候補がトップ当選を果たしました。
それだけに参院選でどれだけ参政党候補が票を上積みするのか注目です」(前出・選挙アナリスト)

兵庫選挙区で自公が議席を失えば、政権交代もありうる。

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