「吉見くん! 走ってくるから待っててね!」巨人監督を辞めた後も球界のスターだった長嶋茂雄との取材秘話
ミスタープロ野球の長嶋茂雄氏が死去してから1カ月以上が経過した。スーパースターだけあって大々的に追悼特集が組まれたが、21年間に及ぶリハビリについてはあまり触れられていない。
ミスターのリハビリを追い続けたスポーツジャーナリスト・吉見健明氏による長嶋氏との秘話、リハビリの内情をお届けする。【長嶋リハビリ秘話 前編(2)】
長嶋邸前で寝込み冷や汗をかいたことも…
巨人監督を辞めて以降は何かにつけて取材に伺った。浪人中とはいえ、それでも長嶋は依然としてスターであり球界の話題の中心だった。
’83年には巨人の助監督だった王貞治が監督に就任することになるが、読売内部では販売部門担当だった渡邉恒雄氏を中心に「長嶋を監督に戻したい」という声もかなり強かった。
田園調布の自宅でこの情報を伝えると、「いやいや、いろいろと人間のしがらみがあるんですよ」と嬉しそうに笑顔で返してくれたことは忘れられない。
横浜大洋ホエールズや日本ハムファイターズ、ヤクルトスワローズなど他球団からの監督就任の噂も毎年のように飛び交い、そのたびに取材に応じてもらった。
スポニチ時代から自宅の電話番号は知っていたが、一度も掛けたことはない。コメントをもらうときは必ず自宅まで足を運んだ。
池袋のスナックで深夜まで取材の酒席をこなした後に田園調布まで赴き、長嶋が朝の散歩に出かけるところを待って声をかけたことも一度や二度ではない。
ちょうど大洋監督就任の噂が飛び交っていた時期、少し早めに到着してそのまま長嶋宅の玄関前で寝てしまったことがある。
朝の掃除に出てきた亜希子夫人に起こされたのだが、夜露に濡れた背広で玄関先に寝転がる不良記者に、「主人は今、海外に行っていますのでいませんよ。ご苦労様」と優しく声をかけていただき、そして帰国日まで教えてもらったのには冷や汗をかいたものだ。
長嶋が元気な頃は、朝の4時過ぎにランニングに出かけるのが日課で、筆者の顔を見て、「吉見くん! 走ってくるから待っててね!」と声をかけてくれたこともあった。
このときに撮らせてもらったツーショット写真は宝物だ。写真を撮らせてもらったのはこのときだけで、サインは1枚も貰ったことはない。
それでも筆者の記憶の中には幾つもの長嶋の姿や言葉が残っている。記者として、これ以上の財産はない。
長嶋には本当に何度も取材をさせてもらった。病気で倒れて以降は毎日のように通い続けた。
取材記者として再び長嶋の前に立ちたいという筆者の矜持だ。
【一部敬称略】
「週刊実話」7月24・31日合併号より
長嶋リハビリ秘話 後編へ続く
吉見健明
1946年生まれ。スポーツニッポン新聞社大阪本社報道部(プロ野球担当&副部長)を経てフリーに。法政一高で田淵幸一と正捕手を争い、法大野球部では田淵、山本浩二らと苦楽を共にした。スポニチ時代は“南海・野村監督解任”などスクープを連発した名物記者。『参謀』(森繁和著、講談社)プロデュース。著書多数。
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