「試合後のバンバン・ビガロが控室でいきなりブッ倒れた」蝶野正洋が90年代新日と熱中症を語る

「精力をバロメーターにして調子を把握するのもいいかも」

熱中症対策といえば、こまめに水分補給をするとか、適度に休憩することが基本なんだけど、これがなかなかできない人が多いんだよね。自分が今どのくらいの体力があって、どういうタイミングで休めばいいのかということを把握できていない。

50歳を超えたら、体力なんて日割りで落ちていく。去年は同じくらいの暑さで5時間ほど仕事してたから、今年も大丈夫だろうなんて思ってると、無意識に我慢して倒れてしまう。

自分の考える体力の限界から、だいぶ手前でストップをかけて休んだほうがいいんだけど、それができない。これを読んでる実話世代なんて、そのあたりの自覚が一番足りないんじゃないかな。

自分の体力を過信しているというか、若かった頃の意識のまま。それを1度すべて捨てて、改めて何分に1回は休んだほうがいいとか、水分補給しようとか、自身のカラダと相談して、自ら決めて行動しないといけない。

精力もそうだよ。その気になれば1日3発は余裕でいけるとか思ってても、オジサンにはもう無理だから(笑)。なんとか絞り出しても、それで疲れ果てて、次の日に身動き取れなくなったりする。

1人でするときも、今まで10分で終わってたのに、なかなか出ないから1時間ほどいじくり回してしまったりね。それを冷房もかけない部屋で頑張っていたら、本当に危ないことになるよ。

普段カラダを動かさない仕事してたり、運動やスポーツをする習慣がない人は、体力の衰えがなかなか自覚できない。

だったら精力などの下半身をバロメーターにして、自分自身の調子を把握するのもいいかもしれないよ。

「週刊実話」7月24・31日合併号より

蝶野正洋の黒の履歴書】アーカイブ

蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)

1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。