マダニ感染症「SFTS」に要注意! 野外作業や農作業、レジャーで刺されるケースも

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マダニを通じて感染する人獣共通感染症のSFTS(重症熱性血小板減少症候群)で、5月に三重県で獣医師が、6月に愛知県で豊田市内在住の男女2人が死亡。また、静岡県では7月3日に80代の男性、香川県、宮崎県でも感染した人が亡くなっている。

夏本番に向け、マダニ感染症の活発化が懸念されている。

ダニは大きく2種類に分けられる。自宅などのカーペットや布団に潜んでいて、目に見えないほど小さなダニはチリダニと呼ばれる種類で、人のフケやほこりをエサにして生活している。

一方、人間や牛、馬、羊、鹿、犬などの動物に寄生し、吸血して病気を媒介するのがマダニだ。

「人への感染ルートは、主にSFTSウイルスを保有するマダニに刺されること。その他、感染者の血液や体液、SFTSを発症している動物との接触で感染することもあります」(医療ジャーナリスト)

SFTSの症状は、マダニに刺されてから6日~2週間程度の潜伏期間を経て、主に原因不明の発熱、消化器症状(食欲低下、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛)。時には神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など、出血症状(紫斑、下血)などを引き起こすとされる。

ペットが感染ルートとなるケースも

「国立健康危機管理研究機構によると、2024年の感染報告は120例で、そのうち11人が死亡しています。
三重県で死亡した獣医師は、SFTSに罹った猫の治療をして感染したとみられ、動物愛好家にショックを与えました。
ペットは自宅などで飼っている人にとって家族同然です。ペットがSFTSに感染して、人にうつし死亡するケースは深刻な問題です」(同)

豊田市で死亡した50代女性は、除草作業後に発熱などの症状を訴えSFTS感染していた。もう1人の90代男性の感染経路は分かっていない。

「野外作業や農作業、レジャーなどでマダニに刺されて感染する。マダニが活発に動く時期は春先~秋口。夏場は特に要注意」(同)

マダニは日本全国の山林や草むらに生息する。

「公園など生活圏近くにもいますから、絶対に自宅に持ち込まないことです」(害虫駆除マイスター)

マダニを侮るなかれ。

「週刊実話」7月24・31日合併号より

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