コメ不作、夏野菜高騰、生乳不足のトリプルパンチ 記録的猛暑で危惧される夏の台所事情

AIで生成したイメージ
今年6月は全国各地で真夏日の最多記録を更新した。

6月の月平均気温は、気象庁が統計を開始した1898年以降で最も高い。7月に入ってからも、真夏日が続いていることから、コメの不作、夏野菜や果物の価格高騰、はたまた生乳不足が危惧されている。

気象庁の長期予報(6月~8月)では、今夏の平均気温は平年より高くなる見込み。最も暑い夏になった2023年は稲の高温障害によって1等米の全国平均比率が59.6%となり、同じ条件で調査を開始した’04年以降、過去最低となった。

「高温障害が発生したことで’23年は20~30万トンものコメの供給が減少したと推計されます。これが引き金になり、’24年から’25年に全国各地でコメの買い占めや品薄が発生。
“令和のコメ騒動”が起き、政府は備蓄米放出に踏み切った。現在はコメの価格が安定しましたが、’23年や’24年のような猛暑となれば、コメの不作は免れない」(全国紙社会部記者)

夏野菜は、すでに値段が上がっている。

「猛暑で一番影響が出ているのがブロッコリー。6月初めより倍近く上がっています。昨年末から高騰を続けたキャベツの価格は落ち着いたんですが、6月末から再び3割ほど上昇している。猛暑でトマトの値上がりも必至です」(消費生活ライター)

バター不足は慢性的状況

一方、山形県では“さくらんぼの王様”佐藤錦が2年連続で収穫量1万トンを割り、過去最少に近い8600~9700トンと予想されている。

「農作物だけではありません。牛は暑さに弱く、夏になると夏バテで搾乳量が減少するんです。昨年は予想以上の猛暑で生乳不足に陥った。同10月にはスーパーからバターを消えるという事態が起きたんです」(大手乳業メーカー関係者)

現時点で今年の生乳不足の報告はないが、バター不足は解消していない。

「海外のバターは相場が値上がりし、国内バターより高い。この際、政府は生乳を増やす指示を出して、国産バターの値下げにつなげるべきです」(同)

猛暑で庶民の食生活も脅かされそうだ。

「週刊実話」7月24・31日合併号より

【関連】「マグロ豊漁」秋に終息の兆し 一方で不漁が続く北海道のスルメイカ豊漁に期待も ほか