懸賞金1万円! 梅、桜、桃の木を枯死させる「クビアカツヤカミキリ」の被害拡大

AIで生成したイメージ
梅や桜の木を枯死させる特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の被害が拡大している。

自治体によっては民間人の駆除に対して、懸賞金や駆除奨励品を出しているが、梅や桜だけでなく収穫最盛期に入った桃の樹木への被害も深刻だ。

幼虫が樹木の内部を食べてしまうクビアカツヤカミキリは、輸入木材や梱包材に紛れて日本国内に侵入し、2012年に愛知県で初めて確認された。その後、生息区域を広げ、’18年1月に特定外来生物に指定された。

「クビアカツヤカミキリが好むのは桜や梅、桃といったバラ科の樹木で、卵を産み分け、ふ化した幼虫が内部を食い荒らすことで木を枯らしてしまう。枯れた部分は伐採しますが、酷い場合は木を丸ごと処分します」(環境ジャーナリスト)

クビアカツヤカミキリの駆除方法として農薬も有効だが、被害が大きいと、その効果は限定的だ。

幼虫の痕跡を見つけると1万円

地域によってはブラックライトで卵を鮮明に浮かび上がらせて駆除したり、振動で産卵を抑制する手法もあるが、決め手に欠ける。

「見つけた際は踏みつけるなど、その場で駆除することです。紀州南高梅の一大生産地の和歌山県みなべ町では、あまりに被害が甚大なので幼虫の痕跡を見つけた人に1万円の懸賞金を出しています」(全国紙記者)

梅や桜と並びクビアカツヤカミキリ被害に悩まされているのが、桃だ。

収穫時期は品種によって異なるが、早いものは5月ごろから。遅いもので10月ごろ。

現在、旬を迎えている栃木県小山市では、6月14日「退治大作戦」と銘打った市民参加型のイベントを初開催。成虫を1匹退治するごとにもらえるチケットを10枚集めると、500円のクオカードと交換できる制度を実施している。

「東京都でも’15年度に福生市とあきる野市、’24年度には港区、東村山市でも確認されるなど、これまでに5区6市1町で被害が発生している。
埼玉県東松山市では樹木をクビアカツヤカミキリから守るため、6月から成虫を駆除した人に奨励品として地域通貨『ぼたん圓』を交付しています」(同)

福生市も6月から駆除に商品券を交付、対策は待ったなしだ!

「週刊実話」7月17日号より

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