「サバは大衆魚ではなくなりました」100円のサバ缶が300円に! 不漁と物価高でブーム終焉

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安価で栄養素が多く含まれているサバを原料にしたサバ缶ブームは、これまでに何度か起きてきた。

ところが、ブームの一翼を担った岩手県産株式会社が販売する「サヴァ缶」を製造する工場がサバの水揚げ減少で、5月末から操業休止した。現在ある「サヴァ缶」の在庫がなくなり次第、販売を終了する。

健康食品としてのサバ缶ブームは、東日本大震災の復興支援と並行して、同時期に始まった。

2018年の「プレミアムサバ缶」などの出現、さらにコロナ禍で保存食としても需要が高まったサバ缶は空前のブームになった。

しかし、’18年に54万トンを超えていたサバの漁獲量は、’23年は26万トン余りと半分以下に落ち込んでいる。

八戸では前年比95%も減少

「青森県八戸市はブランド『八戸前沖さば』の産地ですが、’22年の水揚げ量は2060トン。’18年比で95%も減少している。八戸市だけではなく、約7年前から全国各地でサバの漁獲量が減少傾向にありますよ」(漁業情報センター関係者)

今年に入ってもサバの不漁は変わらない。

5月に水産庁は水産政策審議会分科会で’25年のマサバ、ゴマサバなどの漁獲枠を正式決定した。

近年、記録的な不漁が続く太平洋側のマサバ・ゴマサバの漁獲枠(7月~来年6月)は13万9000トンと、前年に比べ約61%の大幅減となった。

「サバが豊漁だった10年前は1キロ1000円くらいで買えたのに、今は1200~1300円。サバは“大衆魚”ではなくなりました」(東京・豊洲市場業者)

第3次ブームの頃、1缶100円で売られていたサバ缶は現在300円前後にまで高騰している。

「サバの不漁と物価高で、第4次ブームも終焉でしょうね」(フードライター)

 サバ缶ブーム、まさかの“サバ”読み違いで終焉へ。

「週刊実話」7月17日号より

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