停戦破棄も秒読みか イスラエル・イラン紛争“見せかけの和平”で高まる「第三次世界大戦」勃発ドミノ

AIで生成したイメージ
「停戦」に踏み切ったイスラエルとイランの動向が注目されている。

薄氷を踏むような合意で、停戦破棄がいつ行われても不思議ではないとみられているからだ。

また、イスラエルのバックに控えるアメリカはイランの核施設の攻撃に踏み切ったが、イランを陰で支えているのがロシアと中国であることは疑いようのない事実。

中東が再び戦火に包まれれば、混乱に乗じて中国が台湾へ侵攻、ウクライナ侵攻を継続するロシアと相まって、事実上の世界大戦に突入する可能性すら秘めている。

そのため、世界中が注視しているわけだが、「いつ停戦が破棄されてもおかしくない」との懸念は、今回行われた両国の戦闘のすさまじさと、長年にわたって培われた“遺恨”の深さにあるとも言えるだろう。

そもそもイスラエルがイランを攻撃したのは、IAEA(国際原子力機関)の調査に協力せず、核兵器に必要なウラン濃縮を進めている疑惑が渦巻いていたから。その「核開発を阻止する」との大義名分が攻撃を現実化させた。

「イスラエルはイランの核施設を攻撃しただけでなく、イラン革命防衛隊司令官や核科学者らをドローンなどを使ってピンポイントで殺害。イランに潜入したイスラエルの諜報機関モサドが暗躍したとみられています」(大手紙外信デスク)

戦争が激化すればするほど有利

対するイランもイスラエルに反撃し、最高指導者のハメネイ師は「戦いが始まる」とSNSに投稿。国力ではアメリカはもちろん、イスラエルにも劣るものの、イランが強気だったのは大国の支援があったからだ。

「ロシアはウクライナ侵攻でイランからドローンなどの軍事支援を受けているため、イスラエルを強く批難するなどイランを擁護していました。
また、イランの核開発にも陰に陽に関与しているとみられていた。もう一つの大国は中国で、明確にイランを支持していたのです」(安全保障アナリスト)

ちなみに、ロシアと中国の共通点は国連安全保障理事会で拒否権を持つ5大国のうちの2カ国というだけではない。両国はそれぞれ領土拡大の野望を隠していないほどだ。

また多くの軍事アナリストが、ロシアのウクライナ侵攻とイスラエル・イラン紛争の2つが激化した場合、間隙を突く形で中国が台湾に侵攻する計画を指摘しており、その際には西側連合国を巻き込む世界大戦に発展する可能性が危ぶまれている。

「中東紛争の激化は、原油・天然ガス価格の急騰を招きます。ただ、エネルギーや資源大国であるイランとロシア、中国は戦争が激化すればするほど有利になる。
そのため、世界を二分する戦争に発展する可能性があったとしても、自国の軍事的活動を躊躇することはないはずです」(同)

「停戦」の水面下で、事態はより緊迫の度合いを深めているのである。

「週刊実話」7月10日号より一部内容を変更

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