中日、人気監督退任&最下位争いでも脅威の「集客率96%」の秘密

中日ドラゴンズ公式サイトより
セ・パ交流戦を終えた時点で、中日ドラゴンズは31勝36敗2分け。セ・リーグ順位表を見れば、5位。東京ヤクルトが大低迷しているおかげで最下位を免れている状況だ。

しかし今後、ヤクルトが村上宗隆の復帰などで逆襲に出たら、どうなるのか。そんな危うい状況にいるドラゴンズに、興味深いデータが見つかった。

「大方のファンが予想していたのは、今季の観客動員数ダウンです。昨季まで3年連続最下位とはいえ、人気の立浪和義氏が指揮官を務めていたので、球場はいつも満員でした」(名古屋在住記者)

後任の井上一樹監督も“愛されキャラ”であり、明るい性格で知られている。

だが、「チームが弱い」状況が変わらなければ、カリスマ的人気監督が退いた分、観客動員数のダウンは必至と思われていた。しかし、そうではなかったのだ。

昨年のドラゴンズ主催ゲームの1試合平均観客数は、3万2951人。今季主催ゲーム33試合時点での1試合平均観客数は3万3805人。むしろ、観客動員数はアップしているのだ。

「本拠地・バンテリンドームナゴヤの最大収容人数は5万人と公表されていますが、アリーナ席が開放されるのは、人気アーティストなどがコンサートを開くときだけ。中日戦はマイナス1万人の4万人が最大収容人数とみるべき」(同)

観客増の要因は若手への“期待”か

また、4万人がMAXでも、3万8000人程度を想定し、最初からチケット販売数をセーブする日もあるという。

だとすれば、今季主催ゲーム33試合を終えた時点での「最大観客数」は、6月7日の千葉ロッテ戦の3万6332人だから、集客率は約96%以上。また、バンテリンドームが会場となった中日主催ゲームで3万人の観客数を割ったのは、わずか1試合のみ。

さらに、5月23日から6月8日までの主催9試合に限ってのことだが、3万5000人を割った試合はゼロ。ちなみに、その期間は6勝3敗と好調だった。

「勝てば観客も増える」傾向は12球団共通だが、勝率5割を下回っている中日は、カリスマ指揮官がいなくなってもファンに愛されていることが分かった。

「近年の中日は、ドラフトで指名選手が競合しても抽選で勝つケースも多い。将来有望な選手へのファンの“期待”が、観客増の理由の一つ」(関係者)

中日は、そんな温かいファンに支えられていることを忘れてはならない。

「週刊実話」7月10日号より

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