蝶野正洋“石川県観光大使”に! 馳浩県知事は「トランプ大統領と一緒だよ(笑)」

「相撲はまだ時代錯誤なことを続けている」

当時の俺は「G1クライマックス」で3度目の優勝直後で、武闘派転向を宣言したばかり。この試合は気合が入っていたんだが、馳センセイも地元だからか、やたら張り切ってぶつかってきたんだよ。それで場外戦になったときに、馳センセイが突然テーブルを持ち出して俺にぶつけてこようとしたから、俺は対抗してバンッと押し返したら、馳センセイの頭に机の裏側の金具が刺さって大流血となった。

だから、あれは馳センセイの“自業自得”なんだよね。

石川県は、新横綱・大の里の地元でもある。大の里はしっかりした好青年で、スターになる器だと思う。

その直後にモンゴル出身の元横綱・白鵬(翔)さんが相撲協会を退職した。政治的なバランスというか、業界の裏の流れも感じるよね。

どこの団体もそうだけど、トップというのはどれだけの支持者と資本を持っているかが問われる。

白鵬さんは、優勝回数が史上最多の45回という実績があり、人格者でタニマチも多かったから、俺はそのうち理事になるものだと思っていた。

でも、相撲協会は海外出身者に対して厳しい。理事にしないよう裏でいろいろ画策するくらいなら、はっきりと「相撲は日本の伝統文化なので、理事は日本生まれの日本人に限定する」と宣言したほうがいいんじゃないか。

相撲はいまだ「土俵は女人禁制」と、時代錯誤なことを続けている。

いまどきの感覚とはズレてるけど、そういう伝統も明文化すれば、納得できる部分もあるんじゃないか。

「週刊実話」7月10日号より

蝶野正洋の黒の履歴書】アーカイブ

蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)

1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。