天空都市はなぜできたのか? 世界遺産マチュ・ピチュが示す「ノアの方舟」神話との接点

AIで生成したイメージ
秘境や絶景ブームの到来で、近年日本人にも人気の天空都市マチュ・ピチュ。世界遺産としても知られるこの遺跡は、アンデス山脈に囲まれたペルー奥地の高地に築かれた古代インカ文明の遺物だが、20世紀初頭に発見されるまでは人目に触れることはなかった。

「遺跡に使われた5~10トンの巨石は、500メートル下の川岸から採取されたと考えられているが、インカ帝国は文字を持たなかったため、15世紀半ばに築かれたということ以外、なぜ標高2430メートルもの高地に造られたのか、何の目的で造られたのかがまったく分かっていない。もちろん、巨石の運搬方法も解明されておらず、すべてが謎に包まれているのです」(古代文明に詳しいライター)

この謎に満ちたマチュ・ピチュの創成に、宇宙や月、そして世界中に残るあの「洪水の逸話」が影響を及ぼしていたとしたら、どうだろう。

週刊実話ミステリー増刊『シン・世界の七不思議と超古代文明の謎』(小社刊)には、考古学者らが驚がくするような壮大なドラマが記されている。

天空都市と月の誕生に巨大彗星の存在

なぜマチュ・ピチュは建造困難な高地にあるのか? その謎に対し彗星捜索家の木内鶴彦氏らは大胆な仮説を唱える。

それによると、1万5000年ほど前、太陽に接近した巨大彗星の内部の水や氷が太陽熱により莫ばく大だいな水蒸気となり、その後、地球の軌道近くで土砂とともに地上へ降り注いだのだという。

大気圏外から落下してくる大量の水と土砂は、もともと平地の都市であったマチュ・ピチュの周囲の土地を削り取り、結果的に「天空都市」が生まれた。

そして、その彗星は地球周回軌道に引き込まれて、現在の「月」になった──およそこのような説だ。

トンデモ説とも思えるが、月面で人工地震を発生させる実験ではその内部が空洞である可能性が示唆されており、月の内部に存在していた氷や水が水蒸気になって地上に降り注いだという仮説と辻褄が合う。

また一般的には架空の話とされているが、「ノアの方舟」や「アトランティス沈没」といった大洪水伝説とも重なる仮説ではないだろうか。

だがそうなると、マチュ・ピチュが15世紀半ば頃に建造されたインカ帝国の都市であるという話はどうなるのか? これについては1万5000年以上前に建造された都市を、インカの人々が再整備したものと考えるべきだろう――。

シン・世界の七不思議と超古代文明の謎』第1章「マチュ・ピチュは『ノアの大洪水』を生き延びた超古代都市だった」より一部抜粋