長嶋茂雄さん逝去で“松井巨人監督計画”まさかの白紙に 交わした「約束」はロス五輪・侍ジャパン監督か

長嶋さんは愛弟子に五輪で結果を残してもらいたい

プロ野球に数々の輝かしい伝説を残した長嶋氏だが、五輪には辛酸しかない。

アテネ五輪(’04年)で日本代表監督に就いたが、本番5カ月前に脳梗塞で倒れ、休養。

ヘッドコーチの中畑清氏が引き継ぎ、監督代行として指揮を執ったものの、決勝トーナメントでオーストラリアに敗れ、銅メダルに終わった。

そのリベンジを松井氏に託したのだ。

「国際オリンピック委員会(IOC)はロス五輪で野球を追加公認したが、これが最後になる可能性も。巨人監督は本拠地移転予定の築地新球場が完成する’32年でも遅くない」。

長嶋氏の思いを汲む松井氏の決断だ。

阿部監督は就任1年目の昨季、4年ぶりのリーグ優勝を果たし、今季も上位争いをしている。

よほどの低迷でもしない限り長期政権になり、主砲の岡本和真はMLBに移籍する予定。そこで長嶋氏は松井氏に“待て”のサインを送ったのだ。

この背景にあるのが、長嶋氏の後継問題。「巨人軍終身名誉監督」とともに「株式会社読売巨人軍・専務取締役」に就いていたからだ。

ざっくり言えば、後者はOB会や球団内の原(辰徳)派、中畑派、松井派、高橋(由伸)派、阿部派の主導権争いを制御するお目付け役――。

山口壽一オーナー(読売新聞グループ本社代表取締役社長)は、球団専務取締役の長嶋氏の後釜に江川氏を検討しているという。

【ミスタージャイアンツの遺産2】に続く

「週刊実話」6月26日・7月3日号より

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