国民民主&維新の会“自爆” 野党瓦解で参院選は自民に漁夫の利

玉木雄一郎(C)週刊実話Web
小泉進次郎農相は備蓄米放出作戦で一躍脚光を浴びているが、石破茂内閣の支持率は大きく反転していない。
参院選を前に、立憲民主党はそんな政権に団結して立ち向かうのかと思いきや、内ゲバが勃発。国民民主党は山尾志桜里問題で党内は大混乱。日本維新の会は離党者が相次ぎ、足元から崩れ去ろうとしている。
これら野党3党にとって今年は「倒閣の夏」どころか「自壊の夏」になりそうな情勢だ。(全2回中の2回)

山尾志桜里氏で揺れた国民民主

参院選の比例代表候補に、かつて不倫スキャンダルが報じられた山尾(本名・菅野)志桜里元衆院議員を擁立したことは、党の支持率を大きく引き下げている。

不倫相手の元妻が自殺しているとあって、そんな人物を候補者にする国民民主の見識が問われる事態に発展したのだ。

国民民主から参院選に出馬する候補者の陣営関係者は「山尾氏には応援に来ないでもらいたい。票が減る」と突き放す。

国民民主が昨年10月の衆院選で躍進したのは、リベラル色が強い石破自民を見限った岩盤保守層が、国民民主の支持に回ったことが大きい。

だが、国民民主は選択的夫婦別姓法案を国会に出し、山尾氏は皇位継承についてSNSで「女系天皇の選択肢を排除する進め方は間違っている」と投稿する始末。保守層は一気に離れたとみていいだろう。

そして、やはりというべきか、国民民主は6月11日に山尾氏の公認内定の取り消しを発表した。

一方、日本維新の会は人材の流出が止まらない。

日本維新の会もグラグラ

参院選の候補者に選ばれなかった梅村みずほ参院議員のほか、滋賀県大津市議の森川瑛理奈氏ら離党者が続出している。

梅村氏らは党のガバナンス不全を問題視しており、吉村洋文代表は「僕自身も問題がある」と反省することしきりだ。

極め付きはこれまで衆院東京15区(江東区)から出馬し、美人候補との呼び声が高かった金澤結衣氏の離党、そして自民入りだ。

次期衆院選では甘利明元幹事長の地盤である神奈川20区(相模原市南区、座間市)から立候補する。

甘利氏は前回の衆院選で落選しており、金澤氏は甘利氏の後継候補という位置づけになる。

金澤氏は「我が国を思い、戦後の日本の成長を支えてきたのは自由民主党だ」などと語っているが、「要は、東京15区で当選した立憲の酒井菜摘氏と比例復活した自民の大空幸星氏に勝てないから、維新に見切りをつけた」(維新関係者)のが実態だ。

野党はこのまま瓦解してしまうのか。

「週刊実話」6月26日・7月3日号より