小沢一郎の決起で立憲民主“分裂危機”チキンレースに巻き込まれる日本国民

小沢一郎 (C)週刊実話Web
小泉進次郎農相は備蓄米放出作戦で一躍脚光を浴びているが、石破茂内閣の支持率は大きく反転していない。
参院選を前に、立憲民主党はそんな政権に団結して立ち向かうのかと思いきや、内ゲバが勃発。国民民主党は山尾志桜里問題で党内は大混乱。日本維新の会は離党者が相次ぎ、足元から崩れ去ろうとしている。
これら野党3党にとって今年は「倒閣の夏」どころか「自壊の夏」になりそうな情勢だ。(全2回中の1回)

立憲・小沢一郎氏と維新・前原誠司氏が対立

立憲民主党の小沢一郎総合選対本部長代行の執行部批判が止まらない。

小沢氏は6月3日、自らのグループ「一清会」の会合後、記者団に内閣不信任決議案の対応についてこう語った。

「野党っちゅうもんは、解散・総選挙を喜ばなければならない。政権を取るチャンスだから。それをなんか脅されて震えているような話では野党第1党の資格はない。出すべきだ。
会期末にきちんとケジメをつけなければならない。通る(可決する)かもしれないときにやらないなんて、バカじゃないか。解散・総選挙は望むところ。1回でケリがついてとてもいい」

これに対し、石破首相は同日、政府・与党幹部を通じて、不信任案が提出されれば、採決前に解散する意向をマスコミにリーク。各社は一斉にその意向を伝えた。

ダメ押しとばかりに“鉄ちゃん仲間”である日本維新の会の前原誠司共同代表を通じて、繰り返し採決前の解散をほのめかすのであった。

前原氏は6月5日の記者会見で「石破首相とは2人だけでなく、何人かが参加する会合で何度か会っているが、一貫して『不信任案が出されれば衆院を解散する』と言っていたので、そこはぶれていないと思う」と語った。

解散権を握るのは立憲という状況

全国紙政治部記者はこう話す。

「もはやチキンレースです。不信任案賛成で野党がまとまらないと分かったら、立憲は不信任案を出すのではないかと石破首相は踏んだわけです。議員は誰しも解散を避けたいのが本音です。
そこで石破首相は『不信任案が出ただけで解散するが、それでもいいのか』と言わんばかりに立憲に迫ったわけです。解散権は立憲が握っているという不思議な状況になっています」

立憲の野田佳彦代表は、衆院解散について日米関税交渉が行われていることなどを念頭に、「政治空白を作ってもいいと政府・与党は考えているのか」と語った。

本来なら野党は「受けて立つ」と言うべきところだが、こういう言い方でかわすのは、解散を恐れているからに他ならない。

この弱腰の姿勢に“剛腕・壊し屋”の小沢氏はいら立ちを募らせており、党内で主戦論が広がりつつある。

野田氏が成果として誇る基礎年金(国民年金)の給付水準の底上げを盛り込んだ年金制度改革法案の修正についても、小沢氏は「我が代表は(政府案を)『アンコのない年金案』と言っていたが(自公立3党)合意にはどこを探してもアンコは入っていない」とこき下ろした。

小沢氏側近は「13日に予定されている法案採決では造反して、反対に回ることだってあり得る。不信任案を出さないなら年金法案は否決だ」と野田氏を牽制している。党は分裂寸前だ。

党内がごたついているのは立憲だけではない。国民民主も同じだ。

(つづく)

「週刊実話」6月26日・7月3日号より