都議選の焦点は“小池与党”の勢力図 第1党の自民は裏金で没落、カギを握るのはやはり国民民主

玉木雄一郎、小池百合子 (C)週刊実話Web
夏の参院選の前哨戦として位置づけられている東京都議会選挙(6月22日投開票)の幕が切って落とされた。

都議選のポイントについて、都政担当記者が解説する。

「定数127議席に対し、過去最大の300人前後が立候補する大混戦の様相です。焦点は自民党、小池百合子都知事が特別顧問を務める都民ファーストの会(都民ファ)、公明党の議席がどうなるか。
この3党は都議会で与党を形成していますからね。また、都議会議席ゼロの国民民主党がどこまで議席を獲得するかも参院選を占う上で注目です」

都議会で自民党は30議席を有する第1党だ。

「今回も都議会第1党を維持したい自民は42人を公認したが、都議会自民党で発覚した政治資金パーティー収入の不記載を巡る裏金問題が大打撃になっています。
自民は問題に関連した6人を非公認にしてはいるが、苦しい選挙戦を強いられている」(同)

自民は現議席どころか、歴史的惨敗を喫した2017年の「23議席確保も厳しいのでは」という見方も出ている。

読売新聞が告示1カ月前に行った世論調査では、政党別投票先で自民は最多の18%を確保(2位は国民民主10%、都民ファと立憲民主党7%、公明6%)しているが、前回’21年の同調査では30%。この差がどう都議選の結果に結びつくのか予断を許さない。

国民民主や野党の獲得議席が重要

「都民ファは、小池都知事が水道料金の基本料4カ月無償化など大盤振る舞いの政策を実施し、都議選情勢は堅調です。最低でも現有議席26は維持したいところでしょう。
とはいえ、自民が大敗し10議席台前半に落ち込んだ場合、たとえ公明が全員当選を目指す22議席を獲得しても、与党の自民、公明、都民ファで過半数の64議席に届かない。
ガ然、国民民主や他の野党の獲得議席が重要になってきます」(政治アナリスト)

国民民主はスローガン「手取りを増やす。」で有権者の支持を得て、旋風を巻き起こした昨秋の衆院選の勢いのまま「10議席以上を目指す」と鼻息は荒い。

昨夏の都知事選で小池都知事に次ぐ約166万票を獲得した、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏が設立した地域政党『再生の道』はどうか。

「再生の道は42人を擁立しました。都議選の“台風の目”になるのか注目を集めていたが、石丸氏に都知事選時の勢いは感じられません。
読売新聞の政党別投票先調査でも2%だった。小池与党の構成でカギを握るのは国民民主となりそうです」(前出・都政担当記者)

小池都政は安泰か。

「週刊実話」6月26日・7月3日号より

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